12話

ギリ「・・・何者だ!」

――「あぁ 何だ?」

ギリ「先程斬った奴ではないな!」

――「そうだ!俺は俺、あいつじゃねぇよ!!」

そう言ってギリへと複数の鎖を勢いよく投げつけた

鎖はギリの体に命中し壁にたたきつけられた。
衝撃が全身に響く、威力が先程の比ではない。

――「休ませねぇよ!!」

鎖が一つ、ギリを捕らえようと飛んできた。
ギリは無我夢中で、チェーンソーで鎖を斬ろうとしたが・・・

ギリ「斬れない!?」
チェーンソーを鎖に当てるたびに鎖全体が赤く輝くだけで、鎖が斬れる気配はない

フラン「あのくさり・・・光粒子できょうかされている・・・あんなのじゃきれない・・・」

鎖はギリの体に巻きつき、そのまま宙づりの状態となる。

――「もう終わりだな・・・死ね!!」

鎖がギリの体をすごい力で締め付けた。

ギリ「ぐっ!?ぐああああああ!!」

――「この程度か?もっとあがけ 苦しめ!」

ギリ「ぐあああああああああああ!!!」

フラン「やめてよ!!」

――「あぁ!?」

フラン「チェイルどうしちゃったんだよ!?これ以上暴れたらフウさんに言いつけるぞ!」

――「はっ あんなやつに負けやしねぇ!大体俺はチェイルじゃねぇ!!俺の名前は・・」
急に言葉を止めた。チェイルの体が青く輝きはじめる。

――「うがぁアァぁァあぁァ!?畜生!思ったヨり早く目覚メやガッタな・・・」

チェイルは青い光に包まれていき、やがてその光は消えていった。

チェイル「また・・僕はやってしまった・・」

フラン「だいじょうぶ!?いつものチェイルだよね!?」

チェイル「・・・大丈夫です」
チェイルはギリに斬られた所を手で押さえ、苦笑しながら答えた。
しかし斬られた傷はどこにも見当たらない。


                     「殺せ・・・・」
チェイルは声の主の方を見た。
声を発したのはギリ。 鎖によって全く身動きできない状態だ。さらに重症をおっている。

ギリ「殺せ!討伐も果たせず・・・ さっさと殺せ!」

チェイル「いいえ殺しません あなたの命を奪う事が目的ではありませんから。」

フラン「しぬなんていっちゃだめだよ~」

ギリ「どの道、私は貴様等に負けたんだ・・・ 」

チェイル「あれは僕じゃない!!」

ギリ「・・・どういう意味だ」

チェイル「・・・訳は言えませんよ。でも決着は着いてない、いつかまた・・・決着をつけましょうよ」

チェイルのその清清しい笑顔を見ているとあれほどの殺意を出したなんて考えにくい・・・しかし・・・

ギリ「早くいけ・・・・」

フラン「ん?」

ギリ「今回は一つ借りておく。しかしこの借りは必ず返させてもらう。」

チェイル「わかりました、いつでも待ってます。 行きましょうフラン!」

フラン「うん!!」

そう言って非常口から二人は出て行った。




フラン「それにしてもチェイルすごいつよかったよ!少しこわかったけど・・」

チェイル「フラン・・・その事は誰にも言わないで下さい・・・」

フラン「どうして?」

チェイル「お願いです!!」
語勢を強めたチェイルの目からは涙がこぼれていた。

フラン「わかった・・・・・おつかれ」



続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第246号
ページ番号
14 / 39
この作品について
タイトル
チェイルの冒険
作者
ココア(3段アイス,ソード)
初回掲載
週刊チャオ第236号
最終掲載
週刊チャオ第274号
連載期間
約8ヵ月24日