第2話・キャスの朝ごはん
そうして長い間
お互いに笑いあっていた二人でしたが、
どうやらキャスはおなかが空いてきたようです。
そこで、キャスが何か食べるものがないかと辺りを見回すと
キャスの眠りを妨げた四角い実が転がっていました。
キャスは早速それにむかって走っていくと、
ムシャムシャとすごい勢いで実を食べだしました。
よっぽどおなかが空いていたのでしょう。
それを見ながらティルは、
昨日、お昼寝していたキャスのために
「無愛想だけど優しい彼」が置いていってくれた木の実を
キャスに内緒で食べてしまったことを反省しました。
しかし、その「反省」がすぐに終わり、
目の前の好き嫌いせずに木の実を食べるキャスに
ティルが感心しだすころには、
キャスはもう実を食べ終わっていました。
自分をボ~っと見つめているティルに
実を食べ終わって、やっと気がついたキャスは
最近は日課のようになったその言葉を
今日もまたティルに投げかけました。
「あそこに遊びに行こう!」
そう言ってキャスはガーデンの
一番の高台の方へと指をさしました。