第１１話「小さな天使・エンジェからの報告」前編

チャサリン「エンジェ・・・？」

いきなり現れたエンジェ。かなり慌てた様子だった。
チャサリン「どうしたの？そんなに慌てて・・・」
エンジェ「そんなのんきな事言ってる場合じゃないのよ！シルバーが・・・っ！」
チャサリン「え！？シルバーが・・・？シルバーに何かあったの！？」
私は声を荒立ててエンジェに言った。
エンジェ「フィンレイの術にかかっちゃって、どこかに連れて行かれちゃって・・・。あたし、何も出来なくって・・・。チャサリンに知らせないと・・・って思って・・」
チャサリン「と、とりあえず落ち着いて・・・」

そう言ってエンジェを落ち着かせる私が一番落ち着いてなかったのは、自分でも分かる・・・。
私とエンジェは、ベッドに座った。
チャサリン「エンジェ、もっと詳しく教えて」
エンジェ「うん・・・。なんか・・・。すっごく暗い所、でもチャオは・・結構居るみたい。そこにシルバーが居る・・・。感じるの・・・。シルバーはまだ目が覚めてないわ。・・・でも、何処なのか分からない・・・」
チャサリン「そう・・」

エンジェの話からすると、シルバーは大丈夫なんだよね。
でも・・・まだ確定したわけじゃない・・・。それに、何処へ行けばシルバーに・・・。

チャオリン「ねぇ・・・。さっきから誰と話してるのよ、チャサリン」
チャオリンは、後ろに手を組みながら首を傾げて言った。
チャサリン「チャオリン・・・・」
チャオリン「え？どうしたの？チャサリン？？・・・・・・ちょ、ちょっと！？」
チャオリンが私の顔を覗き込んで、驚いた顔をした。
その時、私の目から熱いものが頬をつたって、流れてくるのを感じた。
チャオリン「どうしたの・・・？何があったの？話してみて・・・」
チャオリンは、私を慰めるように優しく聞いた。

・・・こらえていたつもりだったのに・・・。こらえ切れなくなって・・・。心の中に溜めていたものが、溢れ出てくる・・・。

後編へ？