第86話・絶望
カヌの腕から、なんと泥水が勢い良く出てきて
神雷の突進を止めたのだ。
カヌ「・・・え?
えーっと、今の何だ?俺、手から水が・・・!?」
蛇口「今のは、覚醒のスキル。液体のスキルだ。
オマエの覚醒のスキルも、タイミングよく目覚めたんだろう。」
カヌ「・・・?!俺のスキルなのか・・・あれって。」
蛇口「液体と気体・・・。まるで理科の授業だな!」
カヌ「フフフ。まぁな。俺は組み合わせが良いんだよ。」
神雷「何喋ってるんだ・・・!
おらぁっ!」
神雷はカヌと蛇口の余裕っぷりが、頭に着たのか
雷を纏い突進してきた。
カヌ「邪魔だ!激・水流!」
ジャァァッ!
カヌは、また神雷の動きを止めるため水を放った。が。
カヌ「ぐああああああああ!」
神雷「いまだ!」
ドガァッ。
状況を説明しよう。
カヌの放った水流は、神雷の纏った電気をも通し、
カヌにダメージを与えたのだ。(いわゆる自滅)
そして、ひるんだカヌに神雷が雷体当たりを食らわせたのだ。
カヌ「ぐっ!やっぱり、水流も電気じゃ役に立たないな・・・!」
蛇口(やっぱり、さっきの泥水のときに気づいてたのか・・・。)
神雷「自分への新たな武器も役に立たないとわな。
やはり、ここがオマエの運命の尽きる場所だったな。
さあ!ここで紅神となるがいい!乱落雷舞!」
ズガン! ズガン! ズガン!
神雷は沢山の雷を落とし、フィールドの穴へ入れた。
神雷「相手はこっちだ。直接電流!」
ズバン!
神雷は、カヌへ銃弾の様な雷を撃った。
カヌ「・・・!」
(まずい、避けてもやられる・・・!)
ズガァァァン
カヌは避けきれず、すべての雷を食らってしまった。
カヌ「・・・。うぅぅ・・。」
神雷「まだ生きてるのか?
ならもう一発だ。直接電流!」
ズバン!
雷はカヌの目の前まで飛んできた。
もう避けられない。
ブシャアア!
カヌ「激流・・・!」
ビリビリビリ
カヌは、何を迷ったのか、自ら自滅するような技を出したのだ。
これには神雷も驚いていた。
神雷「ほぅ、自ら死ぬとは。
なら、もっと電圧を増やしてやろう。」
カヌ「・・・!!!」
カヌは、目を大きく開けた。
もう、喋れないのだろう。
カヌ「・・・。・・・!・・・!」
だが、カヌは歩いた。
水流を流しながら。
神雷「!?」