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「ここはどこだ……。どうやら、まだカオス道場ではなげぼぁ(自主規制)」
また、別の部屋にワープしてきたリュウであったが、ここもはずれ。さて、あと何回ワープすればカオス道場に辿り着けるか。辿り着くまでに、リュウは死んでしまわないか。私は、死ぬに100リング。
「死んでたまるか……おや?」
部屋の中心で、一人の人間がうずくまっているのを、リュウは発見した。一見しただけでは、年齢も、男なのか女なのかも想像できそうにないその人間は、上半身は真っ白、下半身は真っ黒の怪しげな装束を身につけ、長い黒髪をだらんと垂らして顔を覆い隠し、髪の毛の上から白い鉢巻を巻いて、頭と鉢巻の間に何本もの白い蝋燭を挟んでいた。
頭の周りをぐるりと囲むように配置された蝋燭には、その全てに火が灯っており、その揺らめきを眺めていると、吸い込まれてしまいそうになる。
手には、数珠やら白い紙が沢山ついた棒やらを持っていて、何かぶつぶつ呟きながら、小刻みにぷるぷる震えている。
リュウは直感した。触らぬ神に崇りなし。
そろりそろりと気づかれぬように、抜き足差し足忍び足で、魔方陣を探すリュウ。……でもまぁ、すんなり行くわけないよね。
「ド、ギャ、ギ、ギャーン!」
「うわー!」
奇声を上げながら、長い髪を振り乱しながら、さっきまでうずくまっていた人間(?)が立ち上がり、猛然とリュウに襲い掛かっていった。
きとうしがしょうぶをしかけてきた!
にげる にげる
にげる →にげる
「カ、ナ、シ、バ、リ……ッ!」
「ひいぃ!」
猛ダッシュで部屋中を駆け回り、魔方陣を探すリュウ。ところで、コマンド四つあっても、選ぶ場所は変えないんだね。
「あった!魔方陣!とぅっ!」
今時、『とぅっ!』なんて誰も言わんぜ。それはともかく、魔方陣へ死に物狂いでダイブ。次こそ目的地へ辿り着けるのか。
…
うぃんうぃんうぃん……
「ここは……くそっ。ここも違げぼぁ(自主規制)」
…
うぃんうぃんうぃん……
「ここぼぁ(自主規制)」
…
「……あべし……」
…
「……ひでぶ……」
…
そして、数十回目のワープを経て。
「ついに……! ついに俺は辿り着げぼぁ(自主規制)」
リュウの目の前には大きな木製の門があり、脇に看板が掲げてあった。そして、こう書かれていた。
『火悪州道場』
「……?」
カオス道場って読むんじゃない? 多分。
「確かに……まぁ、何とかすれば読める」
門を発見したときは歓喜のあまり涙を流しそうになったリュウであったが、この看板を見ちゃったおかげで一気に怪訝そうな表情に。暴走族じゃあるまいし。
とにかく、入ってみるしかない。リュウは、この先にいるはずの強き者を求めて(そういえばそんな目的があったね)、道場へ向かう。
「たのもー!」
…