第15話 チャオリンの秘密 (後編)
上の続き
あたしは一瞬彼の言葉が理解できなかった。
『赤の竜神の騎士』・・・・・・その昔、ホーリードラゴン(以下HD)とダークドラゴン(以下DD)との闘いのとき、
唯一、チャオウォーカーの力を借りずに、DDと対等に闘っていたというチャオ界での英雄である。
チャオリン「な、え?ちょ、『赤の竜神の騎士』って、なんで?え?あなたまでなんで英雄って呼んでるの?
それはチャオの世界だけの話じゃ・・・・・・・・・」
クレイティア「知らんのか?あの闘いで、ダークドラゴンたちを退かせる決定打を与えたのが
『赤の竜神の騎士』なのだぞ。」
チャオリン「だ、だからってなんであたしが?」
クレイティア「それは私にもわからん。しかし、おまえが・・・いや、おまえの中の『赤の竜神の騎士』の魂がおぬしに宿ったのと同時に、」
チャオリン「ダグルチャオ達も目覚めてしまった。と、いう事ですか。」
クレイティア「そう見るのが自然であろう。しかし、『ダグルチャオ』というのが奴の本当の名前ではない。」
チャオリン「と、言いますと?」
クレイティア「奴はダークの魂・・・・・・・・」
と、ここでまたクレイティアは言葉をにごす。
かすかだが、怯えたように手が震えている
クレイティア「・・・・・・・・奴には・・・魔王『レゾ』の魂が宿っている。」
チャオリン・ニンニン「!!!!!!!!!!!!!!」
ニンニン「・・・・・・・・ま・・・魔王レゾ・・・・・・・・・何故そんなやつが今頃・・・?」
ニンニンもやはり知っているようね。
クレイティア「わからぬ・・・・・だが唯一言えるのは、奴等がチャオリン、
おまえの中に宿っている『赤の竜神の騎士』を恐れて襲ってくる、というところだな。」
チャオリン「・・・・・・・とりあえず、ニンニンの家に来てくれませんか?
あたしの仲間に大怪我をしている人がいるんですが・・・」
クレイティア「うむ、それでは・・・」
ー~~る・・・~ぁ・・・~・・・~~~
クレイティアが呪文を唱えると、なんとチャオの姿になった。
が・・・・・・・・・・
チャオリン「ク、クレイティアさん・・・羽根、触覚、手、足、尻尾・・・」
クレイティア「?・・・・・おっと、これは失礼」
クレイティアの体は確かにチャオになったが、ドラゴンのパーツが付きまくっていた。
ゴールドドラゴンのイメージがちびっとくずれた・・・(涙)
る~~・・・・・・~ぉ・・~・・
あ、普通のチャオになった。
クレイティア「さあ、行こうか。」
チャオリン「はい。」
魔王レゾ・・・それは、HDとDDとの闘いのとき、
DDを従えていた男である。しかし、そいつはDDをのぞく全てのドラゴン、
『ホーリードラゴン』『フレイムドラゴン』『フォレストドラゴン』『アクアドラゴン』『プラズマドラゴン』
が、総力をもって7つに体を断ち切ったと聞いたが・・・やはりそれだけじゃ魔王は死ななかったのか・・・。
たしか1つ目は100年ほど前に北にあるカタート山脈に復活したが、
北を守護していたアクアドラゴン種族との戦闘でアクアドラゴンは奴を滅ぼすことに成功した。
しかしレゾも死にまぎわに、アクアドラゴンの王も道ずれにした・・・。
ということは、今度の『レゾ』は2つ目か・・・。
しかし、あたしはそんなことよりも、
自分の中に伝説が眠っているということに複雑な気持ちだった・・・・・・・・・。
続くにょだ。