~ミッション10 ネックウォーマーの下~つづき。
つづき・・・・今回も楽屋裏つけましたよぉ。
その後数分間、二人+二匹の戦いは続いた。
もう何回目になっただろうか、ソニックさんが、シャドウの元へ、青い光の渦を送る。
それと同時に、こっちもオレンジの光の渦につつまれた。
二組とも、その攻撃に弾き飛ばされた。
その反動で、二人の手から、二匹がさらに弾かれ、飛んでいく─
ボクとダークチャオは、二回ほど地面をバウンドして、無様に崩れて、その長い道を1メートルほどすべった。
ソニックさんたちは、まだ遥か100メートル前方で、走り続け、戦い続けている。
「おいて行かれちゃった・・・しかたないか・・・」
ボクはそういって手をついて顔だけを上げ、なんとなくダークチャオのほうに顔を向けた。
そのとき、ボクは、ダークチャオの目と鼻の先に光る、古びた金色の、ちいさなペンダントを見つけた─
「あぁっ・・・」
そのペンダントを、ダークチャオが、立ち上がりながら拾い上げた。
そのペンダントのふたを外したら、コロンの写真が入っている。
やだ、はずかしい─そんなの、見られたくないのに─!
そのダークチャオは、ペンダントトップについている、小さなボタンを押した─ふたが開く─それと同時に、ダークチャオの頬が紅く染まった。
あの表情には、どこかで見た。どこだっけ・・・?
そう考えているうちに、ダークチャオはこんどは苦々しい表情になる。
そしてすぐ、また頬が紅くなり、目がボーーーっとペンダントの写真に向く。
そしてまた、頭を横に振って、ペンダントから目を外そうとした。
ボクはその奇妙なダークチャオの動きを、目を細くしてみていた。
また、紅くなる。
また、目をそらす。
また、紅くなる─もしかしてこれは、あのとき、GUNの廊下で見た・・・?─
─もしかして・・・・・!?─
「君─デリートス・・・・!?」
その言葉と共に、ダークチャオの体を包んでいる、透明の薄い膜が現れた。
その膜は、みるみるうちに灰色になり、はがれ、崩れていく─
「!?」
ボクは息を呑んだ。
その時、急にそのダークチャオは下を向き、自分のポヨを、引きちぎるようにつかんだから─
はがれかけていた灰色の膜が、急にそこでそのままはがれるのがピタリと止まった。
しかし、ダークチャオの体の半分ほどは、もう膜がはがれていた。
そのはがれた膜の下の皮膚は、しわしわになって、くずれそうになっている。
まるで腐敗したように─?
♪楽屋裏♪
コロン>・・・どうやってあんな特殊メイクしたのよ・・・
アロマ>特殊メイク?
コロン>ダークチャオのやつ。まさか、ほんとうに腐らせた、とか?
純>ううん、ゆでた。
コロン&アロマ>は!?
純>チャオって、ゆでたらしわしわになるんだね。液体包んでる膜がしわしわになるらしいけど・・・・
コロン>いや、何でそんなことを・・・・
純>だって、ゆでてるところ見ちゃったもん。沸騰してたよ。
アロマ>そういえば、透明の膜がはがれるシーンは、ほんとうに透明のビニールかぶせて、それに電流を流してびろびろにしたんだって。
コロン>そんなことして、大丈夫なの・・・?
アロマ>大丈夫。小説だもん。
コロン>・・・・・