~ミッション9 袋のハリネズミ~
ちょっとまたタイトルが変わったの、気がつきましたか?
長いんで、短縮短縮・・・・
チャオサイドストーリーinSA2B ~ミッション9 袋のハリネズミ~
「・・・・これは・・・・!?」
薄暗いARK制御室。
千もあろうか、無限に思えるほどたくさんの監視モニターが壁一面にはりめぐらされている。
エメラルドを砕いて溶かしたような液体でも入っていそうなパイプ状のランプが妙にそれに似合っていたが、目がチカチカするのは変わりなかった。
しかし、そこにちょこんと座っている黒い影─ダークチャオは、食い入るように一つの画面をみつめつづけ、右手のリモコンでそのモニターの音声をオンにした。
─<「・・・ホラ、これ・・・」「テイルス、お前、いつのまに─」「ニセモノだよ。ボクがカオスエメラルドを真似てつくったんだ。同じ波長と特性を持ってる。純度は本物には劣るけど・・・」
「これをオトリにするんだ。」─「とりあえず、エッグマンのとこへコレをもってって、本物とすりかえる。」>─
ダークチャオは眉をひそめてその映像をみつめていた。
しかし、しばらくすると不敵な笑みを浮かべ、ひとことつぶやいた。
「成る程・・・だな・・・」
ダークチャオはいっそうにやっとして短い足で立ち上がると、そばにおいておいたバッグから無線を取り出し、スイッチを入れて、こう話した。
「ドクター。連絡がある・・・」
緑や青の閃光のような光が、黒い空間をバックに、秒速25メートルの速さに追いつけず、線状にすじを引いて見える。
ソニックさんの白い手にひかれ、半ば空中に浮かんだ状態で、あれこれアクションにふりまわされる、かなり哀れなボク。
重力はコロコロ変わるし、目はチカチカするしで、頭がおかしくなりそうだった。
そしてソニックさんが疾走している中、あの卵オヤジの声がひびく─
─<『テイルスとエミーと、チャオ一匹を頂いた。二人とおまけを殺されたくないなら、お前のエメラルドを持って、中央制御室へ─』>─
ソニックさんは最初の「テ」の一声で急ブレーキをかけた。
その反動でボクは360度回転したが、そんなのお構いなし。
「聞いたか、いまの!!」
「聞いたよ・・・耳だけはおかしくならなかったから。」
「・・・・じゃ、なんていってたのか教えてくれ・・・・」
「・・・聞いてなかったのか・・・」
ボクは(今度はめずらしくあきれる側にたって)ため息混じりに言った。
「だから、テイルスとエミーとコロンが・・・・」
そういいかけたとき、また緑や青の閃光のような光が、線状にすじを引いて見えだした。
「さささささささっきのででででで、わわわわわかったのののののののの~~~~!?」
急のことでちゃんとしゃべれない・・・
ほんとに口までおかしくなっちゃったのか・・・・はぁ・・・・
「わかった。中央制御室へ、ダイヤモンドを・・・」
「やっぱりちゃんとわかってないじゃん・・・エメラルドだよ、え・め・ら・る・ど。」
「ったく、うるせ~なァ・・・・急げばいいんだろ!」
秒速が100メートルぐらいになったかな・・・ソニックさんはボクをひっつかんでさらに加速した。
頭の血が沸騰しだしたかと思ったころに宇宙空間にとび出しちゃったんだから、うわぁ、よく生き残れたなぁ、と、ボクは本気で思っていた。
つづく。