~ミッション4 再逮捕の試み~

「どんなホテルかなぁ・・・・」
飛行機の座席で、ボクと純君とでパンフレットを片手に、外の景色を見ながら話し合っていた。
「いいところらしいよ。でっかいオアシスのところにあるんだって。」
「そっかぁ。楽しみだね。」
そう楽しげに話しているとき、飛行機が高度ををさげはじめた─つまり、もうすぐ空港につきますよ~っということ。

チャオサイドストーリーinSA2B  裏のお話 ~ミッション4 再逮捕の試み~

モクハさんを先頭にして、ボクらはピラミッド近くのオアシスにあるホテルに着き─あごがはずれたかのように口を思い切りあんぐりあけた。
たいてい、ホテルや旅館では実物よりパンフレットの写真のほうが良く見えるものだ─だが、そのホテルはまったくの逆だった。
高台の上に空までとどきそうなほど高く搭が中央にそびえ、広大な土地にゆったりとした南国風の一、二階建ての広い建物がひろがっている。
ロビーまでは両脇にやしの木や花が植えてあるゆったりとしたまがりくねったスロープが延々とつづき、すこしはずれたところにお年寄りや足が悪い人のためのななめにのびたエレベーターのようなものもある。
それだけではなく、外とふきぬけの、やしの木の植えてあるプランターが置かれたこぎれいな通路で客間のある無数の各別館につながっており、ひとつひとつの別館の家具はカーテンのついた高級1枚ガラスから見えていて、どれも豪華に仕上がっていた。
客間は別館ひとつひとつにあるようで、どれも2階建てのベランダと庭付きだった。
よく手入れのいきとどいた芝生の庭の花は、温かい南国を思わせるようなものばかりだ。
ボクたちはしげしげとまわりをみまわしながら(カバンの重さも体の疲れもすっかり忘れて)スロープを登り、ロビーへ入った。
そこでもまたあんぐりと口をあけた。
いや、顎のネジがはずれて下に落っこちたと言ってもあっているかもしれない。
下は前面ガラス張りで、床の下はすべて水槽になっており、熱帯魚や─なんとマンタまでもが─のんびりと泳いでいた。
さっきの搭は上まで吹き抜けになっていて、てっぺんには展望台がついている。上を見上げたら首が痛いほど天井も高かった。
ロビーの壁も柱以外はぜんぶガラス張りで、中庭に出るためのドアの取っ手までガラスだった。
ボクらが入ってくるとすぐに案内人一人と手伝いかなんかのチャオ2匹が出迎えてくれて、荷物を持って部屋へ連れて行ってくれた。
まぁ、またおんなじような説明になるだろうが、部屋もチャオガーデンもすごかった。

このオアシスの湖はかなりでかいらしい。
まるで海のようだったので、水平線に夕日が沈むってのを、はじめて見た。
多分、GUNにいたころにこういう風景を見たとしたら、海のど真ん中をヘリか船かなんかで移動しているときぐらいだろう。
それでもロマンチックといえばそうだが、座席のすぐ後に銃やら牢屋のカギやらがあると現実に引き戻されるようでなんかいやなような気がした。
僕らは夜遅くまで遊んだり話したりしていたが、一人、また一人と、みんな眠くて順に寝に行った。
純君とボクは最後まで起きていて、最後に二人一緒に欠伸をして、
「じゃあ、お休み・・・・」
と一言言ってとなりどうしのところで寝た。
今日もふかふかの芝生の上で、シルクのカバーがかかった寝具をもらって、ガーデンの好きなところでぐっすり寝た。
GUNにいたころは(・・・のフレーズは何回出てきたか分からないが)明日の任務や訓練のことであたまがいっぱいで、疲れていてもなかなかぐっすりとは寝れなかった。
いや、今ボクの頭の中にはGUNのことはなかったと思うけど・・・

僕らが完全に寝入ってしまってから、世界中が大騒ぎしていたらしい。
なんせ、あのドクターエッグマンが、せかいせぇふくセンゲンとかなんとかが流れたとか・・・

次へつづく♪

このページについて
掲載号
週刊チャオ第112号
ページ番号
7 / 24
この作品について
タイトル
チャオサイドストーリーinSA2B
作者
ぺっく・ぴーす
初回掲載
週刊チャオ第107号
最終掲載
週刊チャオ第130号
連載期間
約5ヵ月11日