~ミッション4 再逮捕の試み~つづき。
早朝。(そう、なぜか早朝。)
さっさと朝ごはん(バイキングだった)を飲み込み、僕らは朝早く出るツアーに間に合うように、あわててみじたくをした。
ホテルの玄関に出て、バスに乗り込んで、あっちこっち見て回って、オアシスで休憩して、またあっちこっち見て回って・・・・
そうしているうちにお昼になり、近くの(なぜか砂漠のど真ん中にある)高級レストランからファーストフード店までそろった店の集まった所で昼食をとった。
ツアーはここまでで終わりで、あとは帰りのバスで好きなときに帰ることになっている。
僕らは昼からはもっぱらピラミッド周辺の見学をすることにして、どこか遠くまで見渡せるようなところはないかと、あたりをちょろちょろ歩き回った。
ちょうど高台の上に壊れた遺跡のようなものを見つけたので、(そこも立ち入りOKのようだ)そこから見てみることにした。
「ああ、こりゃあいいや。こういう客間もあったらいいのにね・・・・」
モクハさんを先頭に、僕らは壊れた遺跡の突き出た部分によじのぼった。
なんつーか、この景色、絶品だ。
みんなそこでぼーっとしていると、後ろからもだれかが上ってくる気配があった。
それにきづいたボクは、後ろを振り返った。
ん?青いハリネズミに、赤いハリモグラに、青くてでっかい機械に乗っかった黄色いキツネ・・・
なぁんだ、ソニックさんたちかぁ。
「Hey!モクハじゃねぇか!チャオの研究発表見たぜ!アレすごかったなぁ!」
ソニックさんが軽く挨拶した。
「え!いいなぁ、ソニックさんと知り合い!?」
ボクは興奮してモクハさんに聞いた。
その声に気づいて、(ナックルズさんやテイルスさんたちにみんながきゃあきゃあ言ってるそばで)僕の顔を鼻と鼻(チャオに鼻なんかないけど)がくっつくほど近づいてじぃっと僕の顔を見入っていた。
「んー、お前、どっかでみたなぁ・・・・モクハの奴の研究発表のモデルだったか?」
「んー、ボクもソニックさんとどこかで会ったことがあったような・・・」
「んー、何でだろうなぁ・・・・」
「んー、ボク、いっぱいソニックさんのポスターを見たことがあるからかも・・・錯覚かな?GUNにいたころに指名手配のポスターを・・・・」
その一瞬で、僕の頭の中に何かずぅっとひっかかっていた、ずっと忘れていたものがすうっと浮かび上がった。
GUN?指名手配?ソニックさん・・・・・・!
そして、ボクは大声でいった。それでみんなもビックリしてこっちを見た─
「ソニック・ザ・ヘッジホッグ!お前を逮捕す・・・・」
ボクはそこまで行って(どこからともなく取り出した手錠を手に)言葉をきった。
ボクはもう、GUNのチャオってワケではない。
そういえばGUNをクビになって以来、コロンと一度も連絡が取れていない。
いつも毎日一緒に二人で一緒にチャオガーデンでごろごろしていたのに、ボクがいなくなって、コロンは一体誰と遊んでいるのだろう?
ボクはたった3日しかたっていないのに、コロンのことも、デリートスのことも、すっかり忘れてしまっていたのだろうか・・・・
そこで、ソニックさんは、にやりと笑った。
「知ってるぜ、お前、GUNをクビになったんだってな。そこでだ・・・・」
ソニックさんはよりいっそうにやにやした。
みんながじっとこっちをみているのも気にせず、ソニックさんは言葉を続けた。
「アロマ、だっけな・・・お前に、ちょっとイロイロ手伝って欲しい。」
沈黙の瞬間が流れた。
そしてボクは、
「え・・・・?」
と、ことばがみつからないまま聞き返した。
「よぉく聞けよ・・・・昨日の深夜、例のタマゴオヤジが世界征服宣言をだした。」
「そりゃ、電波ジャックだね。それでもう犯罪じゃないの?」
つづいて、ナックルズさんが説明を続けた。
「いいから聞けよ。んで、テイルスがカオスエメラルドと同じ性質を持つ偽エメラルドを作った─」
「だめだよ、偽の宝石売ったら。」
つづいて、テイルスさんがさらに説明を続けた。
「いいから聞いてね?うん。それで、カオスエメラルドはお互いひかれあう性質を持ってる。その性質を利用して卵さんの居場所を突き止めたいんだ。」
「プライバシーの侵害だね。不法侵入罪だ。」
またソニックさんが説明を続ける。
「なんでもいいからちゃんと聞けよ・・・・で、俺らは宇宙に卵君がいると思ってんだ。で、スペースシャトルをそこのピラミッド─実はエッグマン基地になってる─からかっぱらって、宇宙に行きたいわけ。」
「だめだよぉ、泥棒なんかしちゃ。スペースシャトル、むちゃくちゃ高いんだから。」
えーーーっと、ナックルズさんが(以下略)
「とにかく黙って聞け。で、俺ら、スペースシャトルなんて操縦できねーだろ?」
「無免許運転はダメだよ。」
で、こんどはテイルs(めんどくさい★)
「最後にコレだけ聞いてね・・・君、元GUNのチャオでしょ?だから、スペースシャトルの操縦を頼みたいんだ。」
僕は耳を疑った─ボクに、スペースシャトルを操縦しろだって!?
まだ続く。