~ミッション3 脱獄とリストラ~

チャオサイドストーリーinSA2B 裏のお話 ~ミッション3 脱獄とリストラ~

ボクとコロンは、GUNのチャオガーデンに戻って、自分の部屋で寝た。
朝、チャオガーデンにいったときには、みんながボクが特別仕様のビッグフットを操縦していたというニュースを聞きつけて、みんながこっちへ寄ってきた。
「お前、初めての操縦で特別仕様だったんだろ!?いいなぁ~」
とか、
「ねぇねぇ、ソニックさんと戦ったんでしょ?すごい!」
とか、話題は主にそんななようなことだった。
そこへ、僕が帰ってきていることに気づいたデリートスが、腰巾着(いわゆる子分)のチャオをつれて、こっちのほうへよってきた。
そして僕の前で立ち止まると、
「へぇ、君、負けたんだってねぇ。ボクだったら、ソニックさんなんか、5分で見つけて、一気に叩きのめせるけどねぇ。」
と、けだるそうに言ってきた。
腰巾着チャオたちも、
「そうですよね!デリートス様☆」
とか、
「こんなやつじゃソニックさんは倒せませんよね!やっぱりデリートス様が引き受けるべきでしたよね!」
とか言って、デリートスを褒め称えていた。
「ま、あいにくボクは上官に混じってソニックさん捕獲隊の先遣隊だったからねぇ。そのバトルにはエントリーできなかったけど、」
デリートスは一息ついてにやりと笑うと、言葉を続けた。
「ボクだったら、間違いなく一人でソニックさんを捕まえられただろうよ。ま、ボクの作戦で見事にソニックさんは捕まえられたけど─ま、君は負けたけどね─」
ボクはその言葉にキレた─デリートスに思いっきり殴りかかろうと飛び掛っていた。
デリートスもそれに答えたかのように、ボクに飛び掛ってきている。
二人が相手の頬に向けてキックかパンチかどっちにもつかない攻撃をしようとしたとき、コロンはボクを、腰巾着チャオ達はデリートスをとめて、おさえつけていた。
5匹のチャオ(そのうち2匹は腰巾着)でばたばたもめながら、上官がガーデンに近づいてくる音をききつけた僕らは、さっとケンカをやめた。
上官がガーデンに入ってきていたときには、5匹は何事もなかったかのように実を食べたり、遊んだり、泳いだりしてごまかそうとした。
「なぁ・・・なんか物音がしていたが、お前ら、なんかやってたのか?」
上官が不思議そうに聞いてきたが、5匹はあわてて微笑をとりつくろい、
「あ、ちょっと激しく遊んでました・・・・」
と言っておいた。
「そんなことより・・・・急に任務が入った。コロン、お前はプリズンアイランドの基地のC区画のとこのロボの出動の準備の手伝いに行け。んで、アロマはそこで捕獲したソニックの監視だ。A−009号室─特別隔離室にいる。デリートスは昨日の作戦が上手くいったんでチャオの指揮官が勲章を一つ渡したいとのことだ。こっちについてこい。」
3匹と1人でチャオガーデンを後にして、指揮官の部屋とプリズンアイランド行きのヘリポートへの分かれ道に差し掛かったとき、デリートスがこっちを振り向き、
「じゃ、せいぜい小動物(ハリネズミ)の監視でもしててくれよな、操縦素人君。あとで勲章をたっぷりみせてやるよ。」
と、思い切りいやらしい声で言った。
それにコロンが
「何よアンタ!いい気になんじゃないわよ!」
と言ってつっかかると、デリートスはかおを紅くしてチラチラコロンのほうをむきながら、
「い・・・いや・・・べ、べつにコロンさんのことは・・・・あ・・・じ、準備がんばってくださいね・・・ん・・・・」
と、どもりながらそわそわした口調で言った。
「なによ、アイツ・・・へんなの・・・」
と、コロンが上官にさっきのことを笑われながら司令官の部屋へむかっていくデリートスの後姿を見ながらつぶやいた。
そして僕らは二人でプリズンアイランドへ向かった─

このページについて
掲載号
週刊チャオ第109号
ページ番号
4 / 24
この作品について
タイトル
チャオサイドストーリーinSA2B
作者
ぺっく・ぴーす
初回掲載
週刊チャオ第107号
最終掲載
週刊チャオ第130号
連載期間
約5ヵ月11日