第1章 45、危機

トル 「誰?」

ゼブラ 「私の名はゼブラ。メデューサの本当の側近だ。
      あの戦いはすごかったな。トル。少し・・・・・。
      着てもらおうか!」

ゼブラはその名の通り縞馬の耳、鬣、尻尾がついている。

体は包帯が荒く巻かれていて、その間からは黒い皮膚が見え隠れしている。瞳が無く、白眼だ。

そういうと白龍を離し、消えた。

トル 「白龍!」

トルは白龍のところに走っていったが・・・。

ゼブラ 「お前の相手はこっちだ」

トル 「うわああぁぁぁぁぁ・・・・・」

ゼブラは片手を刃に変え、トルの腹を刺していた。

ゼブラ 「クックック・・・・痛ぇだろ、痛ぇだろ!?
      トルウゥゥゥ・・・・・」

さらに刃で傷をえぐる。

トル 「ううぅ・・・・うあああぁぁぁぁぁ・・・!!!」

激痛が、トルの体全体に走る。

一旦刃を抜く。

トルは倒れ・・・・なかった。

そのかわり血がどくどくと口から、腹から地に流れ出る。

ゼブラ 「次は心臓・・・。くっくっく・・・」

ゼブラは刃についた大量のトルの血を舐めた。

トル 「・・・ううぅ・・・。げほげほ・・・・・」

トルは腹からだけでなく口からも大量の血を吐いていた。

ゼブラ 「意外とあっけねぇなあ・・・」

白龍 「キュー!」

白龍がゼブラに噛み付こうとするが、

ゼブラ 「フン」

ゼブラが白龍の首を掴み、締め始めた。

白龍が苦しそうな声をあげる。

その時、


ひゅー・・・・・・



何かが落下してくる音が聞こえた。

? 「弱い者いじめはいけませんよ?」

落ち着いた声が聞こえた。

ゼブラがその方を振り返ると、

トルと白龍が居なかった。

ゼブラ 「どこだ!」

? 「子供相手に・・・いや、赤子相手に本気を出すなんて・・・。酷いですね・・・」

上空から声が聞こえる。

ゼブラは上を向く。

其処には・・・。

手が隼の羽のCHAOがいた。

その背中には白龍とトルが乗っている。

? 「・・・・・さらばです。無駄な争いは起こしたくありません」

ゼブラ 「待て!」

ゼブラは驚異的なジャンプ力でそのCHAOの元まで飛んだ。

?は隼の如く急降下し、地面に白龍とトルを寝かす。

? 「待っててください」

ゼブラはどこから出したのか、カイオウと同じ大きさ(2メートル)の長剣をだす。

?は動じず、優しく、穏やかな目でゼブラを見つめる。

ゼブラ 「なめるな!」

? 「・・・・・初の攻・・・・」

?は消えた。

ゼブラは構わず突進してくる。

ドン・・・

? 「地球投げ・・・」

ゼブラが天高く舞い上がっていた。

その下に?は、いた。

?は手を隼の羽に変え、ゼブラより少し上に跳び、

? 「天空落とし!」

ドゴオォォォ!!!

ゼブラの腹部に体当たりした。

ビュウウゥゥゥゥ・・・

すごいスピードでゼブラは落ちていき、

地に轟音が鳴り響いた。

?は静かに着地し、トルと白龍を背中に乗せ、飛んで行った。

病院に。

トル 「・・・助けてくれてありがトウ。
     名前だけでも聞きタイ・・」

? 「名乗るほどの者ではありません。
    ただ、本名の他に3つの名がございます。
   『世界一のボディガード』『神に愛されたCHAO』『隼の神』・・・です。
    他にもまだまだ名がございます」

トル 「本名は教えてくれないカナ・・・?」

?は静かに答えた。

?→クロス 「クロス・ブラックです。
        クロスと覚えて下さい。あと、体を大事に・・・」

気が付くともう病院の上、?はトル達を下ろすとすぐ飛び去った。

続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第282号
ページ番号
48 / 57
この作品について
タイトル
CHAO 戦闘記
作者
カオスソーサラ(メガライア)
初回掲載
週刊チャオ第271号
最終掲載
週刊チャオ第287号
連載期間
約3ヵ月23日