第1章 39、死を司る神、タナトス!
イダテンが渡した紅い珠は光っていた。
エンエン 「この珠は中に何か入れるとそれが写しだされるんだ。
記憶とか形の無いものは光るんだよ」
一同は納得した。
ICP基地は意外と広い。
ラーメン屋の裏を行けば会議室が3つ。(1部屋 40畳)
地下はすんごく広い。
さっきICP一同は此処に集合した。
大体450匹のCHAOが集まってもまだ1000匹は入れる。
トル 「ねぇねぇ、なんで姿隠してるの?出てきてよ」
トルは天井に向かって話しかける。
『私を見つけるなんてすごいですね』
どこかからそんな声がした。
ほとんどのCHAOは驚いているが、1部のCHAOは平然としている。
『ごめんなさい、姿をお見せします』
どこか神々しい声だった。
カイオウ 「えええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?もしかして・・・・・神様!!???」
そのCHAOはの頬に蒼い十字架と、額に蒼い大きな星がついていた。
片手には星の杖(カー○ィのスターロッドと同じ物。しかし、棒の部分は縞模様ではなく、青白く光っている)、肩には白い龍がいる。
タナトス 「始めまして、死を司りし神、タナトスです」
大人しそうな瞳、後ろに生えている蒼い、大きな天使の羽。
リュウケイ 「その龍は?」
タナトス 「この龍は私の友、白龍(はくりゅう)です。竪琴に変身する龍、白龍はいつも行動を共にしています。(大きさは32センチで、体は白。眼は紅い)」
タナトスと同じように、白く、大人しい。
トル 「ヘヘ、やっぱり隠れてたんだ。
僕も神の仲間だからすぐ分かるよ」
タナトス 「そうですね。
そういえばロンさん、悪い知らせです・・・・」
1部のCHAOはトルの発言に疑問を抱いていた。
ロン 「なんだ?」
タナトスは間を空けて話した。
タナトス 「実は・・・・・。貴方の弟、ハデスさんが、B・R側近により、連れ去られかけました。
連れ去らわれなかったものも、ハデスさんは言葉を失いました。
一応、もしもの時に応戦できるように技と、話せるようにテレパシーの力も与えました」
ロン 「・・・・・・・・そうか。
ご苦労だった」
会話はそこで中断したと思ったが、
ロン 「そういえばタナトス、貴方にはまだハデスの事は話していなかったはずだ。なぜハデスを知っている?」
タナトス 「・・・・・・・・話せば長くなりますが宜しいでしょうか?」
ロンは頷いた。
タナトスの話。
前のブラックミッション、流石にやられました。
怒露露(どろろ 髑髏の次に多い悪組織)倒すのは、いささか骨が折れました。
ミッション完了後、私は飛べなくなり、ある国の木に持たれかかっていました。
ボロボロになった羽を撫でながら、回復を待ちました。
そんな時、
―・・・・・大丈夫ですか?
1人のシャドウチャオの男の子が現れました。
その子は木の棒でこう書きました。
ハデスさんです。
―・・・えぇ、なんとか。
返事を返すのがやっとでした。
―待ってて。
そのCHAOは風のように消え、また風のように現れました。
もう1匹のCHAOを連れて。
―アスクレピオス!手当てしてあげて。
―うん、すごい重傷だなぁ。どうしたんですか?
―怒露露を潰してきました。・・・・・・・すいませんね・・・。
その連れてきた子は、神の世界でも有名な医者の神でした。
私の怪我はたちまち回復し、羽も戻りました。
―ありがとう、助かりました。そういえば、名前を聞いていませんでした。
―僕はハガネ。本名 アスクレピオス。
こっちはハデスだよ。お姉ちゃん達が帰った後、B・Rに連れ去らわれそうになったんだ。それで言葉を失った。
ハデスさんは俯きました。
私はその助けてくれた2人に技を教えました。
―私は呪を解く事はできません。その代わり、君には・・・。
―・・・・・?
ハデスさんは首を傾げました。
―テレパシーの力を与えます。あと、いつもこの龍と共に行動してください。
私は力で黒龍を作り、渡しました。
―・・・・・・あ、話せる!口では言えないけど・・・!
嬉しい・・・!
―喜んでいただけて光栄です。黒龍と分かれると、眼の力が失せてしまいます。
それだけ、お気をつけ下さい・・・・。
では、さようなら・・・・。
そう言い、私は彼らと別れました。
これが、私のハデスの出会いです。
ロン 「・・・・・そうだったのか・・・」
タナトス 「私はさっきから嫌な気配がしてなりません。
3日後に、9分の1のCHAOが冥界に逝ってしまいそうで・・・・」
タナトスは死を予測できるので、これは3日後、事実となる。
タナトスの少し不安げな顔を、皆は見ていた。
続く