第1章 38、真、闇の力
これを取ったのは何時以来だろうな・・・・・。
外せば本当の力が蘇る。
俺の体に秘められし力は『真、闇の力』。
それを知っていて俺は過去2回しかこの制御装置鉢巻を外した事は無い。
初めて外したのはアインに傷を見せたとき、アインは気づかなかったが、恐怖で他のCHAO全員は泣いていた。
次に外したのが『髑髏(B・Rの次にでかい悪組織)』の完全消滅を実行した時。
あん時は止むを得なかった。
それより殺ったらすぐに鉢巻を巻かなければな。
死んでしまったら何もかも水の泡だ・・・。
イダテンは頭の中でこのような事を考えていた。
硬結びしていた鉢巻を腕に巻き、下を向く。
イダテン 「原始からの存在、暗黒界、タイタロスよ。
その力、我が物となれ!」
うつむいたままそう言うと、体に異変がおき始めた。
体中に卍の無数の傷が現れ、背中の辺りにはひし形の羽のような物が両方3枚ずつ浮いている。
イダテンは顔を上げた。
顔にも卍は点いているが、少ない。
その代わり顔に血のように赤い色でこう書かれていた。
『韋駄天』
そして右手には白い気(光)、左手には黒い気(闇)が現れた。
C 「おぃ、さっさと殺っちまおうぜ!」
Z 「馬鹿が、最終体形になったぞ・・・・。A~U!一気に殺れ!!」
A~U 「了解です、Z様」
A~Uは一番上の存在であるZの命令を聴き、イダテンにそれぞれの武器を振り下ろした!
イダテンは微動だに動こうとせず、呪文を唱えた。
イダテン 「『強大なる至高の闇よ、我が手に集り、全てを無に帰す力となれ!』禁術!メルギガス!!!!!」
左手の黒い闇の気を広げた。
それは強大な闇。
その巨大な闇はA~Uを吸い込み始めた。
Z 「・・・・・・・禁術、メルギガス。
それは全てを飲み込み、全てを無に帰す、禁術の中でも最も危険な術。あなどれないな、イダテンとやら・・・・」
イダテンの闇はA~Uを喰らい尽くした。
Z 「次は我が相手だ!古の光速戦士、韋駄天よ!」
Zは背中にある刀(3メートル)をイダテンに振る。
イダテンは手に取るように分かっていたように、少し退き、ジャンプした。
イダテン 「『我に従いたる光の使者よ、今我の前に珠として姿を現し、敵を貫く刃とならんことを!』禁術!セレスティックレイ!!!!!」
次にイダテンは左手の闇を戻し、右手の光を広げた。
周囲に光の弾を複数作り出し、そこからレーザー状の光を連続で発射した!
Z 「こんな珠はじき返してくれるわ!」
Zが珠を斬ろうとしたが、
弾は自動で狙いを変更し、移動し、Zを貫いた!
Zはその5発に当たった後・・・・・。
白い繭に入って転生した。
イダテンは即座に鉢巻を締めた。
イダテン 「はぁーっ、はぁーっ」
呼吸が荒く、出血が夥しいが体形は元に戻った。
メデューサ 「・・・・・・・・真、闇の力を蘇らせるとはね。
友達の仇は、3日後ちゃんと晴らすわ。
あとあの者達は側近ではない。
部下の中での最強クラスなのよ。側近はもっと強い。
その中に貴方も入れてあげようかしら・・・・?
フフフ・・・・・・」
メデューサはイダテンの額に手を乗せようとしたが、
イダテンはその場から消えていた。
メデューサ 「・・・・・・逃げられたか・・・・・・・・」
イダテンはB・R基地からICP本部に戻った。
ドアを開けて基地に戻る。
ロン 「イダテン、どうしたんだ!」
アイン 「父さん!」
今まで見たことの無い出血に、皆は驚きを隠せなかった。
アイン 「父さん、大丈夫?父さん!」
イダテンは血に濡れた手で、アインの頬を触った。そして笑った。
イダテン 「父さんがコレ位で死ぬものか。
それより・・・・」
メデューサからの伝言と、傷の訳などを話し始めた。
ファング 「手当て受けろおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
イダテンんんんんんんんんんんんんんんん!!!」
イダテン 「ヤダ」
アルティメット 「ヤダじゃありませんって、ホントに受けて下さい。死んじゃいますよ~!」
イダテン 「ヤダ」
アイン 「父さん、ある医者以外絶対受けようとしないよ」
イダテンはタオルで血を拭いている。
真っ白だったタオルが3枚も赤く、血の色に染まった。(恐
イダテンは何事も無かったように包帯を巻いたりしていた。
カイオウ 「アインの父さん!?
なんかミイラみたいになってるぞ、頭が!」
特に頭からの出血がひどかったため、頭に特に巻いていた。
イダテン 「そういや資料と、チャロの記憶、取り戻し・・・・げほっがほっ・・・・・てきた」
イダテンは5冊の本と紅い水晶を渡した。
続く