第1章 36、イダテンの悲しき記憶
本の内容。というより話。
今から30年前。
我々は1人の少年を拉致した。
漁船に乗っていた3人のCHAOを拉致しようしたのだ。
拉致をすると、ポイントが溜まる、ただそれだけの理由で。
大人2人は、抵抗が激しかったため射殺。
まだ1歳にも満たない少年は、あまりにも泣き叫ぶので、口にタオルを無理矢理つめこみ、特性のゴム製のサルグツワをかけ、船庫に閉じ込めておいた。
少年は何度も壁を叩いていた。
少年の名はルナ。ニュートラルのハシリの子供だ。
元B・R本拠地に着くと、船庫の中は血まみれだった。
何度も引っかいたりするうちに、皮が破れて血が付いたのだろう。
少年、ルナの手は血まみれで傷だらけ。眼には涙が浮かんでいた。
疲れたのだろう、眠っている。
この少年を、WとXとYの誰かが背負い、本部に戻った。
少年は暫く牢獄に入れて、慣れさせる事にした。
その間、食事をほとんど食べずにいた。
拉致したルナの事について調べると、あらゆる事が分かった。
その少年は、光速を超えて走る事ができるのだった。
いつもなら拉致した者は、殺すが、ルナは隊員に入れることになった。
・・・・・拉致してから2年。
少年は一言も喋らず、ただ泣いていた。
新入りの側近、U、シャドウチャオがそのルナの番を任された。
Uはルナに話しかけるが、ルナは話そうとしない。
Uはそれでもずっと話し続けた。
・・・・・Uが番になってから3年。
初めてルナが喋った。
ルナはもうニュートラルハシリに進化し、ソニックチャオに近づいていた。
牢獄から出て、隊員用の部屋にルナを移動さした。
少年は無表情だ。だが、普通に話してくれるようにもなった。
拉致してから12年―
少年はあの頃以来、泣かなくなった。
Uと少年は、仲がとても良く、武術も学び、強くなった。
それにしても最近ヒソヒソ話が多くなったように感じた。
そして・・・・・悲しみの13年目。
Uは本部からルナを逃がそうとしたのだった!
しかし、扉を前に致命的な傷を負った。
その時の会話を、我は聞いた。
―ぐああぁぁ・・・・。
Uが致命的な傷を負い、倒れた。
ルナは駆け寄り、揺さぶる。
―U、Uー!起きて、起きてよ!!
―馬鹿、早く・・・・逃げろ・・・・。
―やだ、Uとじゃなきゃ絶対に!!!
よくみるとルナの目は涙ぐんでいた。
Uの下は血の海だ。
Uはソニックチャオになったルナの頬に、血まみれの手を当てて言った。
―ルナ、お前・・・・。速くなったな・・・・・・。
俺よりも、ずっと・・・・・・。
これからは・・・・・、こう名乗れ・・・・。
イダテン・・・・。イダテンだ・・・!
―U!ねぇU!!
ルナは遂に泣き出した。
Uの息は荒い。
―最期に・・・・・・俺の本当の名前で呼んでくれ・・・・・。
アキレウス・・・・って。俺もお前みたいに拉致されてこの部隊に入った。
悲しかったよなぁ・・・・。つらかったよなぁ・・・・・・。
―最期ってなんだよU!
なんで逃げなかったの?なんで!?
―ごふ・・・・。弱かったから逃げれなかったから・・・・・。
ただそれだけ。
Uは血を吐いた。
そしてルナは呼んだ。
―アキレウス・・・・・。アキレウスーーー!!
―じゃあな、イダテン。宇宙一の光速戦士!!
俺の名を呼んでくれて・・・・。ありが・・・・とう。
アキレウスはもう何も言わなくなった。
そして我は見た。
なんとアキレウスは繭に入らず、ルナの体に入り込んだ!
それと共に、イダテンの体は黒くなり、蒼いラインがついた。
シャドウチャオのU、アキレウスのように・・・。
体系はソニックチャオだ。
2人は融合したのだった。
我はそれを追いかけられなかった。
哀しみに溢れた・・・・。そのチャオを・・・・。
そして、イダテンが逃げてから半年、スネーク様はイダテンの記憶を抜き取り、仲間に入れた。
しかし、3年後、4人の仲間がイダテンと記憶を取り戻し、連れ帰った。
しかしイダテンは、記憶をアキレウスの物に変えられ、ある呪をスネーク様にかけられた。
その呪は、ある事をすると勃発する。
この本を読まない限り、イダテンが記憶と塗り替えられた記憶を知る事は無いだろう。
この悲しき記憶を・・・・。 Z
本を読み終えた途端、イダテンは苦しみ始めた。
イダテン 「ぐが・・・が・・・は・・・・っ・・・・」
バキ 「どうしたんですか?」
イダテンは吐血した。
トル 「イダテンさん!!どうしタノ!?」
イダテンは本とトルとバキに片手を向けていった。
イダテン 「先に戻れ!
俺は後で行く!!
テレポート!」
2人は本と共にICP本部にテレポートされた。
イダテンはひざまづいた。
その後ろには、メデューサが・・・。
続く