第1章 29、記憶、強奪 未完成

そのCHAOの頭には無数の蛇が生えていた。

血のような赤い仮面を着けている。

後ろには黒い小さな羽がある。

メデューサ 「そう・・・。私がメデューサ。
       B・Rのボス」

その声は、高くも無ければ、低くも無く、変わった声だった。

チャロがA・ビーム七枝刀に手をかける。

ロン 「今は止めておけ」

それをロンが止めた。

アルティメット 「・・・・・なんでここに呼んだんですか?
         それになぜあの5人を・・・?」

アルティメットが代表して質問する。

メデューサ 「大きくなったわね・・・。
       此処に呼んだわけは貴方達の今の力を見てみたいから。
       あの5人が欲しかったわけは簡単よ」

少し間を置いて言った。

メデューサ 「あの子達5人には真・闇の力を入れようとしただけだから」

ロン 「なっ・・・!」

真・闇の力。

悪の力は3種類ある。

1つ目はダークチャオや悪者が持っている、『悪の力』。

これは単なるいたずらや犯罪に過ぎない。

2つ目は修行、憎悪などを抱いたものが持つ、悪の力を上回る『闇の力』。

これは殺人、虐殺などを行う程。

そして最も恐れられているのは・・・、3つ目、辛い過去を抱きし者、悲しみを抱きし者、相当な憎悪など・・・・・『悪の力』と『闇の力』をはるかに上回る・・・・・『真・闇の力』。

これは、見る物全てを殺すまで暴走を続ける・・・。

殺すために生まれてきたような生物兵器と化す。

そんな心を5人も入れられたら、世界は崩壊する。

チャロがA・ビーム七枝刀をいつの間にか、構えていた。

チャロ 「そんな事はさせない・・・。
     今、お前を此処で殺す・・・!」

A・ビーム七枝刀が、目も眩む程輝き始めた。

そして、

一瞬の沈黙が走り・・・。

ッタ・・・

チャロが立っていた所から消えた。

いや、消えたのではなく・・・・・メデューサの所に走っていっていたのだ。

チャロ 「メデューサ!覚悟!!」

チャロはA・ビーム七枝刀をメデューサに振り下ろそうとした瞬間・・・・!

メデューサ 「ΜΛΚΙΘΗΝΞΟΠΡΣΤΥΦΧ・・・・・」

何やら意味不明な言葉を言い始めた・・・。

アルティメットはそれが呪文だと分かった。

アルティメット 「チャロさん、今すぐに攻撃を中断して下さい!」

チャロ 「何!」

チャロのビーム七枝刀はもうメデューサの頭まで5センチだった。

メデューサ 「ΨΩΖΕΓΒΑωχυΔποξψμφ・・・・・終わりよ」

メデューサはチャロの頭に手を当てた。

そのままチャロは動かなくなった。いや、動けなくなった。

チャロ 「・・・ッ(動けな・・・い・・・・!?)」

メデューサ 「殺さないわょ・・・・。
       記憶・Robbery・・・・・」

メデューサの手に白い光が入っていく・・・。

チャロ 「うぐぁぁぁぁ・・・・・」

チャロが苦しみだした。

カロン 「チャロ!」

メデューサ 「チャロの記憶・・・預かった!」

そうメデューサが言い終えた途端、チャロはメデューサの手から落ちた。

どさっ・・・。

アルティメットが駆け寄る。

アルティメット 「チャロさん!しっかりして下さい!チャロさん!!」

チャロは目を閉じたまま動かない。

微かに息はしている。

アルティメットはそんなチャロを揺さぶる。

メデューサ 「あと半日もすれば目を覚ますわ・・・・」

アルティメット 「う・・ぁ・・・あぁ・・・・・・」

アルティメットには例えようも無い怒りが込み上げていた。

ホタル 「大変・・・!
     鬼の心を蘇らせてしまう!!」

ホタルの言った通り、アルティメットには異変が起きていた。

黄色の目が、蒼色に変わり始めていたのだ。

ロン 「西御寺!!(さいおんじ アルティメットのコードネーム)
    チャロをこっちに連れて来い!」

アルティメットはハッとしたようにチャロを背負い、ロン達の元へ向かった。

メデューサ 「前会った時より、倍以上に強くなってるわね・・・。
       流石。今回はこれまで、また会いましょう・・・」

そういうと、その場は基地に戻っていた。

カロン 「コレは一体・・・?」

4人はチャロを病院に連れて行った。

平成地獄病院 最上階10階、286号室。

アルティメットはまだ怒りを抑えられないでいた。

アルティメット 「なんで・・・なんでだよぉ・・・」

小刻みに、アルティメットの体は震えていた。

恐怖などではない、怒りで震えているのだった。

ホタル 「アルティメット。チャロさんは殺られた訳じゃないのよ。
     だから・・・」

アルティメット 「だけどっ・・・!
         だけどチャロさんはやられてしまったじゃないか!
         僕は・・・、僕はそれが許せないんだ!」

言葉遣いが少し荒くなった。

ロン 「俺も悔しい、しかし、此処で怒っても仕方が無い!」

アルティメット 「チャロさんはっ・・・

このページについて
掲載号
週刊チャオ第278号
ページ番号
31 / 57
この作品について
タイトル
CHAO 戦闘記
作者
カオスソーサラ(メガライア)
初回掲載
週刊チャオ第271号
最終掲載
週刊チャオ第287号
連載期間
約3ヵ月23日