第1章 17、カロンの過去

サトリがカロンの思考を皆に見せた。

そこにはまだ兵器になっていないカロンが銃を乱射していた。

相手の陣地ではアインが暴走している。

鬼の心を起動させられているからだ。

此処は戦場・・・、そしてこの戦争の名は・・・・・
      ブラッド・シー戦争
この戦争は地球上、最も多くの犠牲者を出した戦争、名の通り、あちこちで血が水溜りになっていた。

それがなぜか集まり、一の海となった。

最初はアイン側のギリシアが優先だったが、不意打ちをかけられ、相手のトロイアが優先になった。

ある会議場―

5人の人が深刻な顔で話し合っていた。

人A 「このままでは我がギリシアが負けてしまう!」

人B 「相手と同じく不意打ちをかけるか?」

人D 「しかし、あっちには戦車より強い生物兵器がいる。CHAOのな!」

沈黙が続く―

その中で今まで黙っていた者が静かに話しだした。

人C 「私の頭脳なら・・・、トロイアの生物兵器より強いCHAOを作り出せる・・・」

他の4人は人Cに注目した。

人E 「しかし、そのCHAOはこれから生み出していては間に合わないぞ。まず何タマゴのCHAOにするか・・・それに・・・」

人Cはニヤリと笑い、答えた。

人C 「何を言っている?誰が一から始めるといった?
    今参戦中のCHAOを兵器にすればよいのだよ。と、言ってもアインを兵器にしても鬼の心で相当な負担が掛かっているため、アインは14になったら兵器にする。今すぐに兵器に出来るのは・・・・・。アインをサポートしているコードネーム タイガーフォースだ」

チャロは思考を見ながら思った。

チャロ (タイガーフォース・・・。日本語に直すとトラウマだ。他にも意味はあると思うが・・・)

英語が分からないカイオウ以外は皆、同じ事を思っていた。

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すぐに会議室にカロンが呼び出された。

カロンは銃を背中に掛けている。

カロン 「お呼びでしょうか?」

人D 「まあ掛けてくれ」

空いていた椅子にカロンは座る。

カロン 「用件は一体?」

人C 「君に生物兵器になって欲しい」

この言葉にカロンは少し驚く。

カロンはすぐに答えた。

カロン 「いいでしょう。命令は絶対だ。
     しかし、条件を付けて貰う」

人D 「いいだろう。その条件とは?」

カロン 「相手国の生物兵器は殺さない、という事だ」

この言葉に人C以外は驚く。

それはカロンをトロイアの生物兵器と戦わせるためでもあるからだ。

人C 「いいだろう。トロイアの生物兵器はお前の兄弟だからな」

話はすぐにまとまり、カロンは翌日に兵器と化した。

4月4日、午前4時44分44秒。


地球上最強の最終兵器第一号、カロンが誕生した。

カロンが兵器と化してから、ギリシアはどんどん打ち勝ってきた。

そして勝利を治めた。

しかし、カロンはつらかった。

敵が家族や友の名を言い、死んでいくのや、傷ついたりするのを間近で見たりした。

それを見るのがつらくなり、1度だけ、自害した。

自爆スイッチを作動させ、砂漠でとてつもない大爆発を起こした。

もう死んだ、と言われていたが―

人C→エッグマン 「五回くらいは爆発に耐えられるように作った。わしの作る物はコレくらいはしてある」

爆破後の砂漠を見て、エッグマンは高笑いをし、立ち去った。

終わり

エンエンは相変わらずカロンの方を見ている。

カロンの思考を読み取ったサトリや、見たものたちは少し表情が暗い。

エンエン 「あー!」

エンエンはいきなり大声をあげた。

カイオウ 「どうした、新しい薬品でも思いついたのか?」

エンエンは首を横に振った後、笑顔で言った。

エンエン 「君、元に戻りたいって思ってるでしょ!
      コレくらいなら完全にじゃないけどたいていもどせるよw」

この言葉にカロンは驚いた。

続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第276号
ページ番号
18 / 57
この作品について
タイトル
CHAO 戦闘記
作者
カオスソーサラ(メガライア)
初回掲載
週刊チャオ第271号
最終掲載
週刊チャオ第287号
連載期間
約3ヵ月23日