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「・・・えーと、グリーンさんがショートですね?」
「おう」
「理由は?」
「なんとなく」
「そうですか。それから…」

ブルーは、紙切れに書いてあるポジションと、そのそばに書かれている名前を読み上げる。
それによると、Aがレフト、Bがセンター、Cがライト、Dがセカンドを希望としている。
グリーンがショートを希望したのは、今ブルーが言ったとおりである。

「となると、イエローさんがキャッチャーかサードというコトになりますが…」

イエローにホームベースを守らせても、砦どころか砂で作ったお城並みの役目しか果たさないだろう。
ホームベース上にドンと置いておけば少しはランナー生還の邪魔立てはしてくれるかもしれないが、ボールを捕ってくれないのでは話にならない。キャッチャーと言うくらいだし。

「仕方ありません。キャッチャーは僕がやります。イエローさんはサードに置いておきましょう。サードは無いモノと考えます。打順は…もう適当でいいですよね?」

と、いうわけで。チャオレンジャー――すぐ後にチャオレンジャーズと名づけられるコトになるが――のポジション&打順が決定。

1番 ショート グリーン
2番 キャッチャー ブルー
3番 ファースト ピンク
4番 ピッチャー レッド
5番 レフト A
6番 センター B
7番 ライト C
8番 セカンド D
9番 サード イエロー

こう書かれた紙切れを見て、ブルーは改めて嘆息した。オモレンジャーさんたちの力量がいかほどかはわかりませんが、まぁ、負けるコトは無いでしょう。オモレンジャーさん側の視点から見ての話ですが。
ブルーに呼ばれ、メンバー表(のようなモノ)を手渡されたレッドは満足そうに、

「うむ!戦略的観点に基づいた素晴らしいオーダーである!相手がメジャー選抜チームだろうと10点以上の大差で勝利を収めるコト間違いナシである!」

そう喚きながら、メンバー表(とおぼしきモノ)の上部に、『チビッコ戦隊チャオレンジャーズ』と、ダイイングメッセージかと疑うような字で殴り書きするのだった。

「今ココに!宇宙最強野球チーム、チビッコ戦隊チャオレンジャーズの結成を宣言する!記念すべき最初の試合は、そう!ヤツらおねしょ戦隊との戦いである!この戦いに勝ったほうが真のHEROだ!皆の衆、ヤツらをぶちのめすぞ!」

おー、と拳を突き上げ孤独に突っ走るリーダーに賛同するモノは当然その場におらず、レッドの高らかな笑い声が、ガーデンを駆け巡った。
その笑い声にかき消されたのは、ブルー以下チャオレンジャー隊員のため息と、イエロー隊員の寝息だった。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第195号
ページ番号
10 / 12
この作品について
タイトル
チビッコ戦隊チャオレンジャー!~VSおねしょ戦隊オモレンジャー!編~
作者
宏(hiro改,ヒロアキ)
初回掲載
週刊チャオ第194号
最終掲載
週刊チャオ第195号
連載期間
約8日