~木枯らし編~ ページ3

「そうですね。しかし、全て無視という訳にもいかないでしょう。リーダーは僕たちの見えないところで何をしてるかわかりませんからね。朝起きたらチャオが集団消失しているかもしれません」
「そうですわね。放っておくと何をしでかすかわかりませんものね、この男は。誰かこの男の意見を否定する人がそばに必要ですわ。まぁ、まるで幼児ですわ」
「待て待て待て!君たち、私をないがしろにして話を進めないでくれたまえ!何故正義の味方に属するこの私が誘拐などせにゃならんのだ!」
「前科があるじゃないですか、オモチャオ集団誘拐事件という前科が」
「以前言ったはずだ、平和のためには多少の犠牲が必要であると!それにアレは誘拐ではない!皆合意の上で連れて行ったのだ!ペロペロキャンディーを渡したら満場一致で合意してくれた!」
「それを誘拐というのです。オモチャオたちはダークガーデンで発見されたようですが…。リーダーのせいで全く無関係な僕たちまで社長さんに怒られてしまいました。…まぁ、リーダーの悪巧みに不本意ながら加担してしまった事は認めますが…。怪我人の事、ダイヤモンドコース破壊の事、その修復に掛かる費用の事etc…」

ブルーが言った「社長さん」とは、このガーデンの所有者である老人のことである。
この老人、とある会社の社長をしながら、ボランティアで飼い主のいないチャオ(人間に捨てられてしまったチャオなど)を自分のガーデンで引き取って育てている。
大体のチャオは引き取り手が見つかっていつかこのガーデンを出て行くのだが、チャオレンジャーだけがいつまでたっても引き取り手が見つからないのである。
いや見つかってはいるのだが、このガーデンからの脱出は影でレッドによって妨害され続けているのである。

「はっはっは!まぁきにするな!それよりグリーン君の診察は終わったのだろう?ではこんなところに長居は無用だ、我らは帰ろうぞ!」

そういうとレッドは脇で寝転がっていたイエローを引きずって保健室から出て行った。

「…さて、僕たちも行きますか」
「そうしましょう」
「ヒーックシュン!…ズビズビ…」

ブルーたちも後を追っていった。
こうして嵐は去っていった。残ったのは、病状が悪化した患者と数名の怪我人だけだった。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第91号
ページ番号
3 / 11
この作品について
タイトル
チビッコ戦隊チャオレンジャー!~木枯らし編~
作者
宏(hiro改,ヒロアキ)
初回掲載
週刊チャオ第91号
最終掲載
週刊チャオ第111号
連載期間
約4ヵ月21日