～ぎんぎらぎんにさりげなくない編～ ページ4

「…あ、あぁすみません。予想以上につまらない＆長ったらしい語りでしたので、おもわずうとうとしてしまいました。で、もう終わりなんですか？」

眠い目をこすり、あくびを交えてブルーが言う。

「まぁ最初から期待など微塵もかけていませんでしたが、やはり面白みも何も感じないくだらない話ですわね。３匹の子豚が５匹に増えただけではありませんか」

ピンクが受け取った台本を放り投げながら言う。

「こんなのを演じなきゃいけねぇのか？冗談じゃねぇ。俺の夏を返しやがれ」

グリーンが怒りながら言う。

「Ｚｚｚ・・・」

イエローが寝てる。

「はっはっは！いやいや早くも絶賛の嵐のようで何よりだ！では早速練習開始ッ！」
「待ってください。誰一人として絶賛していませんし、聞きたい事はまだまだあるのです」

暴走特急にブルーが待ったをかける。かけなければこの赤いのは「各駅停車」と大声でアナウンスしながら快速運行をしてしまうのだ。
待ったをかけられたレッドは一瞬不満そう表情をしたが、すぐにまた間抜け面に戻り

「まだあるのかね。私はキミ達との連携を高めるためにも一刻も早く練習を開始したいのだよ。なんせ本番まで一ヶ月切っておるからな。演劇と言うチームワークが重要視される種目において、短期間でチームワークを養えるかどうかはまさに我らの能力が試される所なのである！」
「僕は生涯一度としてリーダーとの連携が成功したと感じた事はありませんから恐らく失敗に終わるでしょうね。まぁそのことはいいのですが。聞きたい事というのはですね。とりあえずこの茶番劇はどこで公開するおつもりで？」
「決まっておろう！園児達がお遊戯会に使用する、あの体育館だ！あそこぐらいしかなかろう！」
「貴方は、茶番劇の決行日はお遊戯会当日だと仰りました」
「おうともさ！」
「お遊戯会当日は、当然体育館は使用できません。…どうするおつもりなのでしょう？」
「簡単だ！お遊戯会が終了した直後に開始すればよかろう！そうすればお遊戯会を見終わった直後のお客さんもそのままＧＥＴ出来る！スンバらしいアイデーアだ！」
「そのまま帰ってしまうと思いますが…」
「さーてようやく不安要素はすべて取り除けたわけだ！気分さわやかに練習開始ッ！」

が、レッド特急はまたもや足止めを食らうことになる。

「お待ちを。わたくしからも聞きたい事が」

ピンク隊員によって。

「まーだあるのかね！？いいか！我らは一分一秒とも時間を無駄に浪費できる立場＆状況ではないのだよ！もう本番まで時間が無いのだ！いざ試合終了を迎えたとき、「あぁ、あそこでバントさえ成功していれば…」なんて今後の試合に引きずるような敗戦だけはしたくないのだよ！」
「何が仰りたいのか全く持って理解できませんが、初めから理解するつもりは私には微塵も無いので良しとします。私が聞きたいのは、社長様には許可を取ったのか、ということです。お遊戯会と言う大切なイベントの当日に体育館を貴方のような前科者に使用を許可するなど考えにくいのです。大方無断で使用しようと目論んでいたのでしょう」
「鋭い推理だ！そのとおりである！心の広い会長殿ならそのぐらいは許してもらえると考えたのだが！」
「この間雷を落とされたことをもう忘却の彼方に追いやってしまったのですか貴方は？」
「私に不都合な記憶など我が有能なシュレッダーが発見次第即千切りの刑に処してくれるからな！そのおかげで私は毎日を楽しく健康に過ごすことが出来るのである！キミ達もわが社のシュレッダーを標準装備にするとよい！必ず幸運を呼び込む事が出来るであろう！そうだな、置く場所は西側がベスト…」
「貴方がどうしてココまで傍若無人に振舞えるのか、その秘訣がよくわかりました。シュレッダーの方は謹んでお断り申し上げます」
「うむ残念だ！しかしよく考えればピンク君の言うとおり、社長殿になんの断りもナシと言うのは私としても反省するべき行為だったな！」
「貴方にしては大変稀有な常識的発言ですわね」
「社長殿には毎日大変世話になっておる！我らが演劇を行うということを真っ先に伝えておくべきであったな！というわけで行くぞ皆の衆！」
「前言撤回させていただきます。えぇ今すぐ」

叫ぶがいなや、レッドはギネスブックに申請すれば即長時間睡眠記録トップに躍り出る事確実と思われるイエロー隊員のあるのか無いのかわからない首根っこを片手で掴み猛烈な勢いでＧＢＡ型お出かけマシーンにダッシュ、華麗にジャンプしてマシーンを起動させ中にひょいと飛び込んだ。
行き先は会長氏のいる『コスモスカンパニー』本社。イツ操作したのかはわからないが、画面にはちゃんとcosmos companyと表示されていた。