~ぎんぎらぎんにさりげなくない編~ ページ2
と。いうわけで。
ブルーから即興講習を受けるグリーン隊員。一応イエロー隊員にも聞こえる声のボリュームでブルーは話したつもりだが、その耳にブルーの声が聞こえていないのは誰の目にも明らかである。だって寝てんだもん。
とにかく、自分達はまたレッドのわけのわからない茶番に付き合うコトになってしまったというコトと、その茶番の内容というのが演劇であるコトと、今日から約一ヶ月、正確には今日を含めて30日間その劇の練習を強制させられる事態になってしまったコトを説明した。
ついでにこの茶番に付き合うコトを拒絶した場合、ピンク隊員による制裁が待っているコトを付け加えた。
「…このクソ暑いのに、そんなコトをするためにわざわざ俺は…」
講習を終え、あからさまに落胆するグリーン。あぁ待ってくれ、俺の夏よ行かないでくれ、まいさまーばけーしょん。
「僕も同感です。まぁ、せめてもの救いはお遊戯会の日程が8月に入ってすぐだと言う事ぐらいですかね。2日だったと記憶しています。ソレが終わればまだなんとか夏を謳歌する事は出来ると思いますよ」
「…まぁ確かに、7月中に何か予定があったかというとないんだがな…」
そう口走った直後、グリーンは後悔した。
「そうだろうそうだろう!このガーデンは生活するうえで不自由な事は少ないが、反面刺激が少ないのも事実!毎日寝てばかりではいかん!この一ヶ月、余りあるそのパワーを劇に全てぶつけようではないか!あぁ素晴らしき青春の日々!」
自分の一言でレッドを余計に盛り上げてしまった事にグリーンは後悔した。
「さぁ、他に何か質問はないかね!疑問と言う疑問は全て排除し、すっきりさっぱりした気持ちで練習に移行しようではないか!」
「…はい、質問」
「何かねグリーン君!」
成り行きに抗う力を失ったグリーンは、とりあえずレッドの言うとおり疑問を解消しようと思った。
「あー何から聞くか…。えーと、その劇の内容はどんなものなんだ?」
「ぃよくぞ聞いてくれたッ!」
待ってましたと言わんばかりにグリーンを思い切り指差し、その後両手を両手を思い切り広げ、ボリュームスイッチの壊れたラジカセのように大声で喋り始めるレッド。
「今から素晴らしき劇の内容を私が語ろう!耳の穴かっぽじって脳に深く刻み込みたまえ!」
そういうと、レッドはどこからか取り出した用紙の束を各隊員に配り歩き、そして語りだした。