~ぎんぎらぎんにさりげなく編~ ページ5
結局二人に振り回されて、有無を言わさず強制参加に追い込まれたブルーは。
「…ふぅ。確かに僕は記憶力を活かしたいと望みはしましたが、まさかこんな形で訪れるとは。神様、冗談だと言ってくれませんか?」
ザマーミロ。別にブルーに恨みがあるわけでもないが、メッセージを受けとった天上の神様はそう返答した。そしてブルーがソレに気づく事はなかった。
「しかしいつの間にあんな写真を撮ったのですか?」
「はっはっは!いつか何かの役に立つかも知れんと思ってな!新聞社に高額で売りつけてもよかったのだが」
その時、ピンクの帰りを待つ二人の耳に、いやチャオガーデンにいるチャオ全員の耳に
「ぎゃーっ!」
という悲鳴が聞こえた。
何事かと思ってチャガーデン入り口に顔を向けると、奥から、何故か傷だらけになっているグリーン隊員を引きずってきたピンク隊員の姿が見えた。
「レッドさん。グリーンさんも劇に協力してくれるそうですわよ」
「おぉそうか!では約束どおり参加賞もう一枚だ!ついでにイエロー隊員は私が明日引きずってくるとしよう!どうせそこら辺で、牛丼の山をたいらげる夢でも見ているのだろう!と言うわけでも一枚渡しておこう!」
レッドはそういうと、ピンクにもう二枚写真を渡した。
ピンクは怪しい目つきで四枚の写真を眺めていた。
一方。
「グリーンさーん?大丈夫ですかー?何があったんですかー?」
ブルーの呼びかけに、悲鳴の主は答えなかった。
「さて皆の衆!練習は明日から早速始めたいと思う!記念すべき第一回の練習はココ!チャオガーデンで行う!集合時刻は朝9時!持ち物は劇に対する情熱!終了時刻は未定である!では今日はコレで解散、明日からの練習のためにしっかり英気を養っておく事!いいな!?返事は!」
「ソレでは皆さんごきげんよう」
「はぁ。またしばらく憂鬱な日々が続くのですね。僕が自由に大空を飛べるようになるのはいつの日なのでしょう。いえ、この際鳥かごの中でもいいですから、いやむしろ鳥かごのなかで大切に愛情を注いでもらいたいものです。誰かいいブリーダーさん、いませんかねぇ」
「…」(気絶)
「うむ!みんないい返事だ!それでは解散!」
そんなこんなで。どんなこんだで。チャオレンジャー隊員による劇(タイトル、ジャンル等一切不明)の公演が決定した。
初夏の日差し眩い、穏やかな風が吹くチャオガーデンでの、とある出来事だった。 続く。