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「ピラニアねぇ」
「んん?何だその目は?」
「いや、何でピラニアが大量発生したのか。リーダーに心当たりがあるんじゃねぇかと思ってよ」
「残念だが私にはないな。いや全く不思議だ。何故突如としてピラニアが大量発生したのか。うむコレは調べる必要があるぞ」
「調べなくとも真相はわかっています、リーダーの仕業でしょう?」
「何故そのような結論に結びつくのか皆目見当が付かんな」
「先ほどコースにスリリングでエキサイティングな改造を施したと自ら自白していたではないですか。誰も居ない早朝にどこからかもって来たピラニアを川にばら撒いている怪しいリーダーの姿が容易に想像できます」
「んん?そのようなことを私は言ったかね?」
「言いました。僕の脳にはしっかり記憶されています。恐らく他のメンバーの脳にも」
「私の脳にはそのような記憶はない。巻き戻しても早送りしても見つからん」
「早送りしても見つからないのは当然です。巻き戻しても見つからないのであれば一度脳を検査してもらったほうがよろしいのでは?」
「その必要はない。私は常に正常健康優良体皆勤賞だからだ!うん、そんなことより、早くダイヤモンドコースへ急ぐぞ!あらたな犠牲者が出てるかも知れん!」

それだけ言うとレッドは、未だ眠り姫状態のイエローを引きずり、洞窟の奥へと走り出した。

「仕方ないですね・・・・・・」
「あーあめんどくせぇ」
「誰か、「アレ」の暴走を止める方は現れませんの?」

他の三人も渋々付いていった。

―ダイヤモンドコース・スタート地点―

「さぁ皆の衆!我々はコレからダイヤモンドコースに起きた様々な異変の原因を調査、解決しにいく!この先には想像を絶する困難が待ち構えているだろう!覚悟はいいか!」
「異変の原因はリーダー。リーダーがいなくなれば解決。コレでいいのでは?」
「何でもいいからさっさとはじめようぜ」
「何故わたくしがこんなことを……神は何故罪の無い可憐な美少女にこのような仕打ちをするのです?わたくしは貴方様の恨みを買うようなことをした覚えはありませんわ」
「Zzz・・・」
「うむ!いい返事だ!ちなみに途中リタイアは認めん!では早速調査に向かおうぞ!」

先陣を切ってレッドがスタート。そのコンマ2秒後、レッドをグリーンが抜き去る。

「気をつけろグリーン!罠はどこに仕掛けてあるかわからんぞ!油断をするな!」

そんなレッドの言葉は無視し、グリーンは第一チェックポイントのビックリ箱に到着。

「はいはい…ッたく。いまさらビックリ箱なんぞに驚く俺じゃ……」

箱を空けた瞬間、なかから「何か」が飛び出てきた。あぁ、「当たり」を引いちまったんだな、なんてコトをのんきに考えていたらバクリッ、といきなり「何か」に頭を食われた。バクリ。
何が起きたのかグリーンには全くわからず、自分が置かれている状況を把握するのに五秒かかった。
把握したとたんグリーンは奇声を上げながらあわてて両手をその「何か」に突いて、頭を引っこ抜こうとした。
しかしそれは叶わず、体が中に浮き上がったかと思うと左右に激しく振り回された。

「はーっはははーっ!だから油断をするなといっただろう!」

実に嬉しそうに叫ぶレッド。
ブルーの目にもそれははっきり映った。巨大な植物、と思われる物体―不気味な深緑色をした触手を大量に携え、巨大でピンクの花びらが四枚ついている―にグリーンが食われ、空中で振り回されている光景が。

「リーダー、アレは一体なんですか?」
「ふむ、アレは凶暴な肉食植物プラントウォーリアだな。肉食と書かれているが、動くモノなら基本的に分け隔てなく何でも襲うぞ。たとえ我らのように肉が無くてもな。いやいや、人間も彼or彼女を見習うべきだ。つまらん差別主義は捨て、皆平等に接すればいいのだ」
「出会ったもの片っ端から襲えというんですか?」
「誰がそんなことを言った。耳掃除はキチンとしているのか?何なら今度私の膝枕でキミの耳を掃除してやってもいいぞ?」
「遠慮させていただきます」
「そうか。では先に進もうぞ。グリーン隊員の犠牲を無駄にするな!」
「助けてあげようとは思わないのですか?」
「世界の平和のためには多少の犠牲も必要なのだ!」
「どう考えてもグリーンさんの犠牲が世界の平和のために必要であったとは思えません」
「私が必要だと思えばそれでいいのだ!さぁ行くぞ!」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第86号
ページ番号
3 / 7
この作品について
タイトル
チビッコ戦隊チャオレンジャー!~ダイヤモンドコース激闘編~
作者
宏(hiro改,ヒロアキ)
初回掲載
週刊チャオ第86号