第二章 十話 「闘技場」
今回は、戦いに力を入れたいと思います。今までは、戦いがなかったの
と同じようなもの(何
パワンの次の試合は、トビワンと、レイというチャオの対決で、今、そ
の試合が始まろうとしていた。パワンはまだ戻ってきていなかった。闘
技場ならではの、緊張が漂っている。
「悪いけど、一撃で終わらせてもらうチャオよ」
そう言って、トビワンは槍を構える。
「我は、そう簡単に、まけん!」
とレイは、言い放った。どうやら武器は使わないようで、どこからも武
器を取り出そうとはしていない。
そして、戦いの開始の合図が鳴った。
「五回戦!始めっ!」
両者は、同時に後ろに退いた。レイは手を前に構え、CAOSを構えて
いる手の前に、固める。トビワンは、槍にCAOSを込めた。
「喰らえ!!」
レイはそう言うと、CAOSの固まりを、いくつも投げつけてきた。
「そんな攻撃!」
トビワンが槍を一振りすると、そのCAOSは全て消滅した。
「なるほど、我の攻撃を、簡単に消すとは。少しは、やるようだな。」
レイは納得したように言った。
「だが、我の力、まだこんなものではない!」
「自分もチャオ。今度はこっちから行かせてもらうチャオよ。」
そう言ってトビワンは、空高く飛び上がり、槍を持ち直して、すごいス
ピードでレイに向かって、突っ込んでいく。
「無駄だ!」
レイは、ひらりと簡単に横へよける。そしてまたトビワンは、空たかく
飛び上がった。
「最初からこんな攻撃が当たるとは思っていないチャオよ。じゃあ、こ
の攻撃チャオ。ウィンドブレイド」
トビワンの持っている槍の先から、見えない風の刃が襲いかかる。(見
えないならどうしてそういえる。)
「ぐっ。見えないなら、かわしようがないな。」
レイは、腕を体の前でクロスさせて、防御し、ふらつきながらも、何と
かトビワンの攻撃に絶えたようだ。
「これでとどめチャオ。」
そうトビワンが言い放つと、一気にレイの目の前まで急降下して、槍で
斬りかかろうと、槍を大きく上に振り上げる。だが、レイは不気味な笑
みを浮かべる。そしてレイは、暗い、どんよりとした声で言った。
「かかったな。」
トビワンの前に両手を素早く動かし、一気にCAOSを爆発させた。そ
の攻撃で、トビワンは後ろの壁まで吹き飛ばされた。
「ぐっ。なぜ、立つのもやっとのはずチャオ。」
トビワンは、壁に背中を押しつけて、座っている状態になった。槍も今
は、手元から離れ、レイとトビワンの、ちょうど間にある。”最悪の状
況だ”
「我は、最初から、お前の攻撃など、効いていない。」
そう答えると、レイはゆっくりとトビワンに歩み寄ってきた。レイの右
手には、CAOSがまぶしく輝いていた。