第二章 八話 「闘技場」

すでに、次の試合は始まっていた。わっと言う歓声が上がる。そして、
勝利である証拠、審判の宣言。しかし、その時レクス達は、観客席では
なく、控え室にいた。

「そう言えば、試合、見に行かなくていいの?」

まずウキワンが心配そうに切り出した。

「大丈夫だよ。今回は、両方とも前回は一回戦で負けたらしいから。」

と、レクスは入り口に立っている警備員の方に向いて言う。警備員は、
そうだ、とうなずいた。

「えーっと次はっと」

パワンは、全く話を聞いていない様子で、トーナメント表を見に行っ
た。

「やっと自分の番が来たみたいだよ。」

パワンは、トビワンに向かって、にやりと笑いながら言う。

「がんばるチャオよ」

トビワンは、しっかりと言葉にした。でも、どこか、悔しそうでもあっ
た。


数分後。パワンを除いたレクス達は、観客席へと移った。だが、なかな
かパワンの対戦相手が姿を現さない。その間、時間がとても長く感じら
れた。一秒も、一分くらい長く感じられた。と、そこへ、一匹のチャオ
が現れる。どうやら、しかし、そのチャオは、対戦相手ではないらし
く、審判の耳元で何かをつぶやいた。そして・・・

「パワン選手の不戦勝を言い渡す!」

「!!」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第147号
ページ番号
60 / 73
この作品について
タイトル
CHAO  OF  STORY
作者
ポトッチ(ぽと)
初回掲載
週刊チャオ第131号
最終掲載
週刊チャオ第152号
連載期間
約5ヵ月11日