第二章　一話　「火」

・・・一体どの位の月日がたったのだろうか。レクスは目を開けた。そ
こは、洞窟だった。天井から、雨水がしたたり落ちる。床は冷たく、天
井から落ちる雨水がはね返って、レクスに当たる。とても、どんよりと
した空気が漂っていた。隣には、ズークがぐったりと倒れている。

「レクスさん、調子はどうですか。」

レクスが起きあがると、すぐ前に、マリンの姿がある。どうやら、マリ
ンが治療してくれたらしい。

「僕は大丈夫だけど、他のみんなは。」

レクスはすかさずマリンに聞き返す

「皆さんは、近くに人がいないか探しに行きましたよ。食料などの問題
もあるようですので。」

周りを見渡すと、マリンとズークしかいなかったが、そのぶんみんなの
荷物がまとめてあった。

「そうなんだ・・・ズークは大丈夫？」

またレクスは質問する

「はい。ですが、治るのに相当時間がかかるようです。それにしても、
たった３日間で目をさますなんて思いませんでしたよ。」

マリンがそう答えると、ふと戦いの様子を思い出した。

「そういえばあの後、どうなったんですか？」

「レクスさんが攻撃を受けた後ですか？あのあとは・・・」

マリンがそう言いかけると、トビワンを先頭にして、パワン、チャド
ウ、ウキワンの順番で、トビワン達が洞窟の中に入ってきた。

「この近くにはなにもなかったチャオ。あれっレクス大丈夫チャオか」

一番最初に口を開いたのはトビワン

「一つ、怪しい遺跡みたいなのがあったけどね。その遺跡に近づくと、
突然暑くなったんだよ」

次に口を開いたのはパワン

「その遺跡ってまさか」

マリンがおどろいたように言った。

「行ってみるのか・・・」

チャドウは低い声で言った

そしてマリンは、軽くうなずいた。




「あのぉ　戦いってどうなったの？」