第一章 三六話 「結末。そして・・・」
−長く続いた戦いも、始まりがあれば終わりもある。やっと終わろうとしていた−
レクスは、悲しみながらも、何とか立ち上がった。涙がぽろぽろと流れ
落ちる。そのレクスの目には、チャドウと、D・Pとの激しい攻防が、
目に入った。かけつけようとしたが、足が言うことを聞かず、そのまま
見ていることしかできなかった・・・
「この攻撃でどうだ!!」
思いきり、チャドウに火をまとったパンチを繰り出した。
「遅い・・・」
D・Pが攻撃したときにはすでに、チャドウはD・Pの後ろに回り込ん
でいた。そしてチャドウは大きく剣を振り下ろす。
「そう安々と・・・!!」
D・Pは向きをチャドウの方に変え、剣を左手でつかんだ。
「ウォォォォーーー!」
D・Pは、右手でさっきと同じ攻撃を放った。
「グッ」
チャドウにパンチはかすった。だが、それだけで後ろに吹き飛ばされて
しまった。
「ちょっとあの速さにはおどろいたけど、君もたいしたこと無いんだ
ね」
D・Pがそう言うと、チャドウは、少し笑みを浮かべた。
「やはり・・・遅い」
「そんなことを言って・・・
次の瞬間レクスは目を疑った。かなり距離があったのにもかかわらず、
すでにD・Pの背後にチャドウは立っていた。
「いつのまに・・・!」
D・Pは驚きの表情を現した。
「出しゃばりが・・・」
チャドウは少し笑った。
突然、レクスの背後から何かが跳び上がり、一気にD・Pの前で着地
して、持っていた槍でD・Pを斬りつけた。
「トビワン!!」
レクスは、驚きのあまりとび上がった。
「いいところばっかり持っていかれちゃ困るチャオ♪」
トビワンを見ると、確かにD・Pの攻撃の後はあった。けれど、しっか
り立ち上がっていた。何事もなかったかのように
そこに、レクスに誰かが呼びかけた。
「いってきてください。ズークさんは私が見ますから」
マリンだ!そのうしろには、ウキワンと、パワンが立っていた。
「少し休みすぎたみたいだね。そろそろこっちも反撃しなくちゃ」
パワンが言う。そしてパワンは、チャドウとトビワンの元へかけだし、
レクスはチャドウにも勝るくらいのスピードで、一気にトビワンの元へ
たどり着いた。
「ははははは!!まだ、戦いは終わっていない!!」
D・Pはそう言った。すると、目に見えるほどのCAOSを両手ためて
いく。そして、CAOSの光りはどんどん大きくなり、やがて、D・P
の手一本をおおう大きさになった。そして、その手でレクスに殴りかか
ってきた。その攻撃は、レクスの頭に当たってしまった。
「レクス!!」
パワンは叫んだ
そのままレクスは数十メートル吹き飛ばされ、気絶してしまった。
「はぁはぁ、まさか、お前ら相手に、この技を、使う、事になるとは」
D・Pは言った。かなり体力を消耗(しょうもう)するようで、息を切
らしながら言った。
「さぁて、次は、どいつだ?」
D・Pは手を回し、トビワンをにらんだ。そして、トビワンに殴りかか
った。と、その時、大きな声が、レクスの方から聞こえてきた。そし
て、一斉にレクスを見た。
すると、そこには、とても大きな黒い龍の姿があった。
「あの龍は、まさか・・・」
ト&チャ&パ 「そんな・・・」
「ばかな・・・」
トビワンとチャドウとパワンは、恐ろしい物を見る目ような目で、その
龍を見つめる。
「次はお前だ!」
D・Pは目標を変え、龍の顔に向かって高くジャンプし、殴りかかろう
と、右手を後ろに引いた。
その次の瞬間、D・Pは跡形もなく消え去った。黒々した火を吐いたの
だ。その火で、周りの木は燃えるのではなく、枯れていった。その次
に、龍は、自分の真下にいる、チャオ達に目をやった。
「次の獲物はどいつだ」
と言わんばかりに・・・