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そこへ、悲しそうなヒーローチャオを心配した他のチャオたちがやってきました。
そして、他のチャオたちも、すぐに花の咲いていない古い桜の木に気がつきました。

どうして、この木だけ花が咲いてないんだろう?
なんだか元気ないみたいだね

みんなも、この桜の木が心配になりました。
なんとか桜の木に元気になってもらいたいと、みんなは思いました。

ヒーローチャオと同じように、桜の木によりそっているチャオがいます。
幹を、やさしくなでているチャオがいます。
はげますように声をかけているチャオもいます。

とつぜん、あるチャオが小川のほうに走っていきました。
みんなは、どうしたんだろうとふしぎそうな顔をしています。

しばらくすると、そのチャオがジョウロを持ってもどってきました。
小川まで水をくみにいってきたみたいです。

そのチャオは、桜の木の根元にジョウロで水をかけてあげました。
根っこのはしから、ゆっくりと水をかけていきます。
でも、木のまわり全部に水をあげるまえに、ジョウロの水がなくなってしまいました。

チャオのジョウロは小さすぎて、大きな桜の木に十分に水をあげることはできなかったのです。

カラになったジョウロを見たチャオは、また水をくむために小川にむかってかけていきました。
ジョウロを持っている他のチャオたちも、桜の木に水をあげるためにいっしょに走っていきました。

小さなジョウロでも、みんなでなんかいもかければ、たくさんの水をあげることができます。
チャオたちは、なんども小川に水をくみにいって、桜の木に水をかけてあげました。

ジョウロを持っていないチャオたちは、水をくみにいっているチャオたちを応援するために声をかけたり、おどりをおどったりしています。
桜の木のまわりがしっとりとぬれるころには、チャオたちを応援していたおどりが、いつの間にか、桜の木を元気づけるおどりにかわっていました。

元気になって
またすてきなお花を咲かせて

桜の木のまわりは、そんなチャオたちの思いでいっぱいになりました。

じぶんと同じ気持ちをみんなも持っていることがうれしくて、ヒーローチャオは歌いはじめました。
桜の木への思いと、みんなへの感謝の気持ちをこめて、ヒーローチャオは歌いつづけました。

ヒーローチャオの歌を聞いて、みんなのおどりもはげしくなりました。
みんなも桜の木に、元気になってほしかったのです。

気持ちのこもった歌とおどりは、暗くなるまでつづきました。
でも、古い桜の木が花を咲かせることはありませんでした。

チャオたちは疲れて、そして、ちょっと悲しい思いをしたまま、眠ってしまいました。


その夜、チャオたちは夢を見ました。
うすいピンク色の服をきたうつくしい女の人が、チャオの森にやってきた夢です。

その女の人は、チャオたちにやさしく声をかけてくれました。
だっこしてくれたり、なでなでしてくれたりもしました。

チャオたちは、とってもうれしくて女の人が大好きになりました。
この森にきてくれてありがとうと、チャオたちは言いたくなりました。
でも、チャオたちがそう言うまえに、女の人が、チャオたちにありがとうと言ったのです。

どうして?
ボクたちなにもしてないよ?

チャオたちが、そう言うと、女の人はニッコリと笑って空に舞い上がったのです。
そして、あの古い桜の木に吸い込まれるようにして消えてしまいました。




つづく

このページについて
掲載号
週刊チャオ第59号
ページ番号
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この作品について
タイトル
チャオの森のお花見
作者
懐仲時計
初回掲載
週刊チャオ第59号