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ライトカオスチャオは、このままここで夜になるのを待つつもりでした。
でも、広場で遊んでいるチャオたちが、ときどきじぶんを見ていることに気づきました。
見られることはあまり気にならなかったのですが、このままここにいると、だれかに話しかけられるかもしれません。
いまは、だれかとおはなしできる気分ではなかったので、ライトカオスチャオはほかのところへ行くことにしました。

ライトカオスチャオは、森の奥にいくことにしました。
森の奥なら、あまりチャオたちに会わないと思ったのです。

でも、しばらく進むと、大きな声で歌いながらやってくるダークチャオに出会ってしまいました。
ライトカオスチャオに気づいたダークチャオは、歌うのをやめて元気にあいさつしてきました。

こんにちは
キミもいっしょにうたわないか?

でも、ライトカオスチャオは、さっきとおなじように、首をふるとそのまま森の奥に歩いていきました。
ダークチャオは、ちょっぴり不満そうな顔をしましたけど、そのままライトカオスチャオが森の奥にいくのを見おくりました。

ライトカオスチャオは、ゆっくりと森の奥に歩いていきます。

あら?
なにかしら?
ライトカオスチャオのうしろのほうから、なんだか変な音が聞こえてきますよ。

がさがさ。
こそこそ。

がさがさ。
こそこそ。

ライトカオスチャオがふり向くと、しげみにかくれているチャオのポヨだけが見えました。
ポヨのかたちから、ダークチャオだということがわかります。

そのまましばらく見ていると、ダークチャオがようすをうかがうようにして、しげみから顔を出してきました。
やっぱり、さっきのダークチャオです。

ダークチャオは、こっちを見ているライトカオスチャオと目があって、びっくりしてかたまってしまいました。

・・・・・・。
がさ・・・。
こそこそこそ~。

しばらくして、われに返えったダークチャオがあわてて逃げていきました。


ライトカオスチャオは、森の奥にある泉にやってきました。
ここには、ほかのチャオはだれもいません。
さっきのダークチャオも、もうやってきそうにありません。
ライトカオスチャオは、もうこれでだれにもジャマされないですむと思いました。

ライトカオスチャオは、しずかに目をとじて、そのまま夜になるのを待つことにしました。


あいつは、お星さまになったんだよ。
これからは、夜空から僕達を見守ってくれるんだ。
だから、そんなに悲しむことはないんだよ。


ある日とつぜん、ご主人さまの奥さまがいなくなったときに、ご主人さまの言ったことばをライトカオスチャオは思い出していました。


夜空を見あげたら、いつでもあいつに会えるんだよ。


まるで、じぶんに言い聞かせるようにご主人さまは、そう言ったのです。

ライトカオスチャオは、ふつうのチャオなら何回も転生するくらいながいあいだ、ご主人さまと奥さまといっしょに暮らしてきました。
ご主人さまは、とっくにおじいさんとよばれるような年になっていましたが、ライトカオスチャオには、むかしとおなじようにじぶんのことを「僕」とよんでいました。


僕もいつかお星さまになるんだよ。


そう言って、ご主人さまはライトカオスチャオをだっこしてくれました。

ライトカオスチャオは、そのときのご主人さまのことばとぬくもりを、いまでもはっきりとおぼえていました。


しばらくすると、また変な音がしてきました。

がさがさがさ。
こそこそこそ。

がさがさがさ。
こそこそこそ。

ライトカオスチャオは、さっきのダークチャオが、またやってきたんだと思いました。
そして、ちょっとウンザリしながら、目をあけました。

そこには、さっきのダークチャオがいました。
いえ、ダークチャオだけではありません。

ソニックチャオがいます。
ナイツチャオもいます。
シャドウチャオもヒーローチャオも、ミズチャオにオニチャオもいます。
たくさんのチャオたちがライトカオスチャオの目のまえにいました。

逃げたと思ったダークチャオは、森のみんなを呼びにいっていたのですね。

みんなは、とってもうれしそうな顔をしています。
チャオの森にやってきた、新しいともだちをカンゲイするために、みんなは集まったのです。
だから、みんなで声をあわせて言いました。

チャオの森にようこそ!

ライトカオスチャオは、とってもおどろきました。
みんなをさけていたことを、わるかったと思いました。

そして・・・。
ライトカオスチャオは、とってもうれしくなりました。

はじめまして

ライトカオスチャオは、この森にきて、はじめて声をだしました。
それは、ライトカオスチャオが、チャオの森の仲間になった瞬間でした。




つづく

このページについて
掲載号
週刊チャオ第100号
ページ番号
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この作品について
タイトル
チャオの森のライトカオス
作者
懐仲時計
初回掲載
週刊チャオ第100号