ページ3

ライトカオスチャオは、みんなといっしょに、さっきの広場にやってきました。
そして、みんなといっしょに楽しく遊びました。

かけっこをしたり、オニごっこをしました。
みんなといっしょに歌ったり、お絵かきもしました。
そして、みんなといろいろなおはなしをしました。

それは、とってもすてきなひとときでした。


そんな楽しいときも、あっというまにすぎて夜になりました。

遊びつかれたチャオたちが、気持ちよさそうに寝息をたてています。
イビキをかいたり、むにゃむにゃと寝言を言っているチャオもいます。
みんなを起こさないように、しずかにおはなしをつづけているチャオたちもいます。

そんな中で、ライトカオスチャオは夜空を見あげていました。
ライトカオスチャオがあまりにも真剣に空を見あげているので、となりにすわっているこどものチャオがふしぎそうに声をかけました。

どうしたの?
なにかさがしてるの?

ライトカオスチャオは、星空を見あげたままこたえました。

お星さまをさがしてるんだよ
お星さまになったご主人さまをずっとさがしてるんだ


ライトカオスチャオは、ご主人さまとお別れしてから、ずっと、お星さまになったご主人さまをさがしていたのです。

あのときのように、もうだっこはしてくれないかもしれません。
ご主人さまのぬくもりを感じることはできないかもしれません。

でも、やさしくみつめてくれるかもしれません。
ことばをかけてくれるかもしれません。

だから、ライトカオスチャオは、お星さまになったご主人さまを、ずっとさがしつづけてきたのです。


ライトカオスチャオは、この森でならお星さまになったご主人さまを見つけることができるような気がしました。
だから、こどものチャオが、みつかるといいねと言ったとき、すなおに、きっと見つかるよとこたえることができました。

となりにいるこどものチャオや、まだおはなしをつづけていたチャオたちが、みんな寝てしまってからもライトカオスチャオは、ずっと夜空を見あげていました。


チャオの森に朝がきました。
ライトカオスチャオが、この森にきてはじめての朝です。
まぶしいくらいすてきな朝日が、ライトカオスチャオをてらしてくれています。
でも、ライトカオスチャオは、とてもかなしそうな顔をしていました。

起きてきたこどものチャオが、心配そうに声をかけました。

ごしゅじんさま、みつからなかったの?

ライトカオスチャオは、しずかにこたえました。

うん、見つからなかったよ。
でも、きっとあしたには見つかるよ。

そして、こどものチャオに心配させないように、せいいっぱいの笑顔をつくってみせました。

そのとき、ライトカオスチャオのからだから、ちいさな光がながれました。
それは、まるでお星さまのようでした。

その光を見たこどものチャオが言いました。

おにいちゃん
もしかしたら、いまのひかりがごしゅじんさまじゃないかなぁ?
そうだよ
いまのおほしさまが、きっと、おにいちゃんのごしゅじんさまなんだよ

ライトカオスチャオは、あわててうしろをふり返りました。
きらきらと、ちいさな光がひかっていました。

それは、あたたかい光でした。
ご主人さまのやさしい目のように、とってもあたたかい光でした。

ライトカオスチャオは、ついに見つけることができました。

ご主人さまは、ずっとライトカオスチャオのそばにいてくれたのです。
やさしく、見まもりつづけてくれていたのです。

いま、ライトカオスチャオは、気づくことができました。
ご主人さまは、いつもいっしょにいてくれたんだと。

もういちど、ライトカオスチャオは、ちいさなお星さまを見つめました。

それは、うれしそうにしているときのご主人さまの目に、とってもよくにているような気がしました。


やっと気づいてくれたんだ
僕は、ずっと君のそばにいるよ


ライトカオスチャオには、ご主人さまのことばが聞こえたような気がしました。

そして、ご主人さまのお星さまに、よりそうようにひかっている、もうひとつのお星さまを見つけました。
それは、きっとご主人さまの奥さまです。
奥さまも、ご主人さまといっしょにライトカオスチャオを見まもってくれていたのです。

ライトカオスチャオは、とってもうれしくなりました。
いつまでも、ご主人さまといっしょにいることができるのです。
こんなにうれしいことはありませんでした。


チャオの森に朝がやってきました。
とってもあたたかくて、まぶしい朝日がさしています。
でも、チャオの森には、朝の光にもまけない、ふたつのちいさなお星さまがかがやいていました。



おわり

このページについて
掲載号
週刊チャオ第100号
ページ番号
3 / 3
この作品について
タイトル
チャオの森のライトカオス
作者
懐仲時計
初回掲載
週刊チャオ第100号