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ダークチャオは、大きなコンサートホールいっぱいに集まったみんなのまえで歌っている夢を見ていました。

ダークチャオが歌っているのは、とってもとっても大きな会場です。
とっても大きな会場なのに、そのなかに入りきらないくらいたくさんのお客さんが、つぎからつぎへとやってきています。
そのみんなのまえで、ダークチャオは満足そうに歌っています。
広いコンサートホールのはしっこまで響きわたる大きな歌声を、みんなはうれしそうに聞いています。

一曲歌いおわるたびに、会場中から大きな拍手がおくられて、なんかいもなんかいもアンコールがおこります。
ダークチャオは、みんなに求められるたびにステージにもどって、なんどでも歌いはじめるのでした。

夢のなかでのダークチャオのコンサートは、いつまでもつづいていました。


冒険好きなチャオは、見たこともない服を着た人が、見たこともない生き物とたたかっている夢を見ていました。

見たこともない服を着た人は、ふしぎな光や炎を出してたたかっています。
冒険好きなチャオは、その人の持っている杖につかまって、そのたたかいを見ていました。

ふしぎな光は、杖の先から飛び出していました。
冒険好きなチャオは、その光が出ていくのをいちばん近くから見ることができて、とってもうれしいと思っていました。

黄色いイナズマが、空からふってきました。
冷たい風が、見たこともない生き物を凍らせます。
真っ赤な炎が、すべてを燃やします。

見たこともない生き物は、チャオのつかまっている杖を持った人に近づくこともできませんでした。
冒険好きなチャオは、ふしぎな光のちからに感動していました。

冒険がすすむにつれて、だんだんとつよい見たこともない生き物があらわれてきました。
見たこともない服を着た人は、それでもその生き物を近づけません。
でも、ついに見たこともない生き物が、すぐ近くにやってきてしまいました。

見たこともない服を着た人が、ふしぎな光を出すのには、すこし時間がかかってしまいます。
だから、目のまえにいるあいてには、その光のちからをぶつけることはできないのです。

見たこともない生き物のするどいツメが、見たこともない服を着た人をおそいます。
見たこともない服を着た人は、なんとかそのイチゲキをかわしました。

ふしぎな光を出すことができない見たこともない服を着た人は、手に持った杖で見たこともない生き物をたたきはじめました。
杖の先につかまっているチャオは、とってもおどろいて、とってもこわくなりました。
でも、なぜか杖からはなれることができません。

見たこともない生き物のツメやキバが、なんかいも目のまえにせまってきます。
杖をふられるたびに、冒険好きなチャオはさけび声を出してしまいました。

それでも、どんどんと見たこともない生き物が近づいてきます。
そして、見たこともない服を着た人は、杖をふりつづけます。

杖につかまったままのチャオのさけび声は、いつまでも聞こえていました。

冒険好きなチャオの見たこともない星での冒険の夢は、ちょっとこわいものになってしまったようです。



つづく

このページについて
掲載号
週刊チャオ第44号
ページ番号
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この作品について
タイトル
チャオの森の初夢
作者
懐仲時計
初回掲載
週刊チャオ第44号