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ヒーローチャオは、どこかの公園で歌っている夢を見ていました。
その公園には、ヒーローチャオの歌声にさそわれるようにして、たくさんのチャオがやってきていました。
いいえ、チャオだけではありません、たくさんの人も集まってきています。
集まってきた人はえんりょするように、ちょっとはなれたところでヒーローチャオの歌を聞いています。
母親にだっこされたこどもは、ヒーローチャオの歌を聞きながら、しあわせそうにねむっています。
チャオたちは、楽しそうにヒーローチャオといっしょに歌っています。
ヒーローチャオは、みんなと歌えて、とってもしあわせな気持ちになっていました。
もちろん、こんなにたくさんの人が集まってきてくれたことも、とってもうれしかったのです。
だから、集まってくれた人たちの顔をじゅんばんに見ていきました。
そのなかに、ヒーローチャオは、見たことのある顔を見つけました。
わすれることのできない人、もう二度と会えないと思っていた大好きなご主人さまの顔です。
ご主人さまを見つけたヒーローチャオは、歌うのをやめて走り出しました。
そして、ご主人さまの胸に飛びこんだのです。
あたたかいご主人さまの胸にだっこされて、ヒーローチャオはうれし涙をながしてしまいました。
ご主人さまは、ちょっととまどいながら、でも、やさしく頭をなでてくれました。
とってもしあわせな気持ちになったヒーローチャオは、しぜんに歌いはじめました。
こんどは、ご主人さまもいっしょに歌ってくれました。
やさしさ。
ぬくもり。
あいじょう。
ヒーローチャオは、ご主人さまからいくつものしあわせをもらいました。
そのしあわせが、こんなすてきな歌になるのですね。
ヒーローチャオとご主人さまは、いつまでも歌いつづけていました。
いつか、この夢のように、ヒーローチャオがご主人さまと再会できる日がくるといいですね。
チャオの森のチャオたちは、今年もいろいろな初夢を見ています。
なかには、ちょっとこわい夢もあったみたいですけど、みんなすてきな夢を見ていました。
みんなの夢が、ほんとうのことになったらいいですね。
今年もよい年になりますように。
おわり