ページ2

そこで、ふたりのチャオが立ちあがりました。
ソニックチャオとシャドウチャオです。
ほら、もうどうくつのまえに立っていますよ。

 おまえからさきにはいれよ
 
 なにをいってるんだ、オマエこそさきにはいれ。

あら?なんだかようすがヘンかしら?
みんなのために、どうくつのおくを調べようとしたふたりでしたけど、やっぱりちょっとこわいみたいです。
でも、なんどかのやりとりのあと、ふたりいっしょに入ることにしたようです。

ソニックチャオとシャドウチャオは、おたがいのからだを押しつけるようにしながら、どうくつに入っていきました。

一歩…。
二歩……。
三歩………。

三歩進んだところで、ふたりは顔を見あわせました。
いえ、見あわせたつもりでしたけど、おたがいの顔を見ることはできませんでした。
真っ暗すぎて、なにも見えなくなってしまったのです。
もちろん、どうくつの中もまったく見えません。

これでは、先に進むことができません。
ふたりは、ひとまず外に出て、なにか明かりになるものを探すことにしました。

まず思いついたのは、小川の水でした。
お日さまを浴びて、いつもキラキラと流れています。
でも、持っていくことはできそうにありませんし、どうくつの中まではお日さまの光もとどきません。

つぎに、クリスマスの飾りにつかった大きなお星さまを思い出しました。
やっぱり、このお星さまもお月さまの光で輝いていたので、どうくつの中を照らすことはできそうにありません。

ふたりが困っていると、目のまえを小さな星が流れました。
あわててまえを見ると、そこにはライトカオスチャオがいました。
その頭のポヨは、うっすらと光輝いていました。

こうして、ライトカオスチャオは、ソニックチャオとシャドウチャオといっしょに、どうくつ探検に行くことになりました。
もちろん、明かりはライトカオスチャオの頭のポヨだけでした。

ライトカオスチャオを先頭にして、さんにんのチャオがどうくつに入っていきました。
一歩。
二歩。
三歩。
こんどは、だいじょうぶです。

ライトカオスチャオのポヨの光のおかげで、どうくつの中を見ることができました。
でも、あまり強い光ではなかったので、ほんの少し先までしか見えません。
ですから、さいしょはみんなシンチョウに進んでいきました。
ときどき、どうくつのおくから、例のオソロシイ音が聞こえてくること以外は、なにも起こらないまま、だいぶ進むことができました。

ソニックチャオは、このどうくつにもなれてきたので、ちょっとカッコいいところを見せたくなって、ライトカオスチャオのまえを歩くことにしました。
すると、さっきまでいなかった黒い影が、とつぜん目のまえにあらわれたのです。
ちょうどその時、おくからいちだんと大きな音が響いてきました。
ソニックチャオは、おどろいて大きな声を出しそうになりました。
でも、うしろにいるふたり、とくにシャドウチャオにカッコわるいところを見せるわけにいかないので、ふるえながらガマンしていると、ライトカオスチャオがやさしく声をかけてきました。

 ほら、ぼくのまえにたつとまえがみえなくなるよ
 それに、きみのかげが、かいぶつみたいになってるじゃないか

そう言われてソニックチャオは、もういちど黒い影を見てみました。
そして、軽く右手を上げてみると、影も同じように手を上げました。
ライトカオスチャオに言われたように、よく見るとそれは自分の影だったのです。
ソニックチャオは安心して、そして、ちょっとバツがわるそうに、ライトカオスチャオのうしろにもどりました。

あいかわらず、どうくつのおくからは、大きなオソロシイ音が響いてきました。
その音は、どうくつに入った時よりも、だいぶ大きく聞こえるようになっていました。
音がしているところに、かなり近づいてきたようです。


つづく

このページについて
掲載号
週刊チャオ第268号兼GW&ライカ記念特別号
ページ番号
2 / 3
この作品について
タイトル
チャオの森のどうくつ探検
作者
懐仲時計
初回掲載
週刊チャオ第268号兼GW&ライカ記念特別号