第6話「白き旋風、赤い闘士」
~あらすじ~
ブルーの二回戦目の相手、鬼神(オニ)三人衆は、
三鬼融合(トライユニゾン)し、ブルーに襲いかかる。
しかし、ブルーは武器化能力を使い鬼神三人衆の融合を解除。
さらに足をタイヤ、両腕を巨大ローラーに変形させ、
見事に鬼神三人衆を倒したのだった。
ブルーはセンベイを引きずりながら待合室へ戻り、
そこにあるモニターを眺めていた。
モニターには、白いヒーローカオスと茶色いオバケチャオが映っていた。
「おおーっと!前回優勝のチャロ選手、チャイル選手の攻撃を巧みにかわしたーッ!」
白いヒーローカオスは、
茶色いオバケチャオのパンチをかわし反撃の態勢になった。
そのまま、白いヒーローカオスが茶色いオバケチャオの頬に鋭い一撃を加える。
茶色いオバケチャオはコロシアムの床に倒れ、白いヒーローカオスはオバケチャオを見ながらこう言った。
「攻撃のスピードが足りないね。僕を倒すならもう少し早くパンチしなきゃ」
「さすが前回優勝者!チャロ選手の圧勝です!」
ヒーローカオスは待合室の入り口へ向かい、
オバケチャオはそのまま倒れていた。
「へぇ、こいつが前回優勝者か…。だとしたら俺様とも戦うことになるだろうな。どうやって殺してやろうか…クックック」
ブルーはそう呟くと、右腕を鞭に変えセンベイを叩き起こした。
「痛いっ!」
「まったくお前は役に立たん奴だな…。そんなに俺様に引っぱたかれてえのか、このグズ野郎!」
ブルーのその言葉に傷ついたセンベイは、
目に涙を浮かべていた。
「ひどいよ……ブルー君……ひどいよ……」
「ひどい?当たり前だ。何せ俺様は極悪チャオだからな。フハハハハハハハ!」
そう言って、ブルーは笑いながら右手でセンベイを引っぱたき続けた。
「ハハハハ!痛いだろう?苦しいだろう?そんなに痛いなら言ってみろ!お前なんかがこの俺様に痛いと言えるわけがないがな!フハハハハ!」
その頃、チャオコロシアムでは、
試合が行われていた最中だった。
「俺はお前に勝たなくてはならない…。奴を…ブルーを止めるため…」
赤いダークチャオが、黒いヒーロー・オヨギのチャオに言い放つ。
「フフ~ン、このアタイに勝てると思ってるアルカ?甘いアルネ!」
黒いヒーローオヨギのチャオはそう言って、
ジャンプして空中で回転しながら赤いダークチャオに襲いかかる。
「おーっと、ボタモチ選手のジャンプキックがチャルム選手に炸裂するか!?」
チャルムと呼ばれた赤いダークチャオが両手を横に広げると、
彼の周囲にバリアのようなものが張られ、
ボタモチのジャンプキックを跳ね返した。
「アタイの攻撃を跳ね返すなんて、アンタなかなかやるアルネ。けど勝負はこれからアルヨ!」
「……それはどうかな?」
チャルムは両手を勢い良く前に突き出す。
するとバリアがボタモチに向かって飛んでいき、
そのまま彼女の体に直撃した。
ボタモチの体は吹き飛び、勢い良く壁に激突した。
「ううっ…まいったアル」
「ああーっと、チャルム選手の必殺技、プラズマキャノンがボタモチ選手に炸裂!チャルム選手の勝利です!」
実況のチャオがそう言うと、
チャルムは黙って待合室へと向かっていった。
「(ブルー…お前はどうして…)」
一方、待合室の中にいるブルー達はというと…
「おっと、そろそろ試合の時間だ。行くぞ、グズ野郎」
そう言って、ブルーは鎖の左手でセンベイを引きずっていった。
「いやだ!いやだ!やめて!たたかいたくないよ!やめて!やめて!」
ブルーに散々虐められたセンベイは、
あまりの恐怖で精神が崩壊してしまったようだ。
それでもブルーは、センベイを引きずりながらリングへ向かう。
「さあ始まりました、チャオ・グランドスラムAブロック代表決定戦!今回の対戦は、ますます力をつけてゆく極悪チャオ・ブルー選手と、黒い牙の闘士・ドルクス選手だァッ!」
ブルーはリングへと上がり、
ドルクスは空中から飛んできて、リングへと着地した。
「ルールは無用!武器や飛び道具の使用、場外でのバトルや相手殺しもなんでもあり!それでは、Aブロック代表決定戦、スタート!」