第3話「初試合」
~あらすじ~
見た目はヒーロー、中身は極悪な青いチャオ・ブルーと、
心優しいテイルスチャオ・センベイの二人は、
年に一度行われる大会「チャオ・グランドスラム」に参加すべく、
チャオコロシアムへ向かい、エントリー登録を行った。
果たして、二人の相手は一体誰なのだろうか…?
「さてと、そろそろかな」
そう言うと、
ブルーはコロシアムの壁に貼られた対戦表を見に行った。
少し歩いたところで、ブルーはセンベイが後ろにいないことに気付いた。
「おい、何やってんだセンベイ!お前も行くんだぞ!これは俺様の命令だからな!」
ブルーは右腕をハンマーに変えてセンベイの頭を殴り、
そのままセンベイを引きずっていった。
壁に貼られた対戦表には、多くのチャオ達の名前があった。
「さてと、俺様の相手はどいつだ?」
対戦表の中から自分の名を探すブルー。
しばらくすると、ブルーは自分の名が一番上にあったことに気付いた。
「まさかこんなところにあったとはな。俺様の相手は…………チャデス?」
ブルーはそう呟いた後、ふと後ろを見てみると、
二本の大きな剣を持ったオレンジ色のミズチャオが立っていた。
「お前がブルーか…」
「もしかして、お前が………チャデス!?」
オレンジ色のミズチャオは、
二本の剣をこれまた大きな鞘に収め話を続けた。
「ああ。俺が『二刀流のチャデス』だ。見たところお前がブルーで間違いないな。よろしく頼む」
「こっちこそ、よろしく頼むぜ」
そう言って、ブルーとチャデスは握手を交わした。
しかし、チャデスはまだブルーの野望を知らなかった…
「(こいつが俺様の最初の犠牲者になりそうだな…クックック)」
そして、ブルーの初めての試合が始まった。
コロシアム中に、司会の声が鳴り響く。
「さあ始まりました、『チャオ・グランドスラム』!!第一試合は、今回が初出場の東の極悪チャオ・ブルー選手とその相棒・センベイ選手のチームVS、前大会で惜しくも優勝を逃した、二刀流のチャデス選手の対決です!」
ブルーが縄で縛られたセンベイを引きずりながらステージに登り、
チャデスもまたゆっくりとステージに登ってきた。
「ルールは無用!武器や飛び道具の使用、場外でのバトルや相手殺しもなんでもあり!それでは第一試合、スタート!」
試合開始のゴングが鳴ると同時に、
チャデスは2本の大剣を抜き、ブルーに向かってくる。
ブルーはすぐさまセンベイをリング外へ投げ捨て、右手を剣に、左手を盾に変え、左手でチャデスの攻撃を弾いた。
「なっ…!腕が武器に…!?」
「どうだ!これが俺様の『武器化能力』だ!」
ブルーは幼少期に事故で大怪我を負い、
それ以来この能力が目覚めたとされている。
しかし、その噂の真相は誰も知らない。
「ならば、これならどうだ!」
そう言うと、チャデスは後ろに下がり、
二本の剣に力を溜め始めた。
「おおーっと!前回大会でも使用した、必殺フォースブレイダーだッ!」
剣に力が最大まで溜まったその時、
チャデスは剣を振り下ろし、その剣から衝撃波が放たれた。
「必殺ッ!フォォォォォォス!ブレイダァァァァァァァァ!」
衝撃波がブルーに当たりそうになったその時、
ブルーは素早く武器化を解除し、センベイを盾にして衝撃波を防いだ。
「ぐわああああああああああああ!」
衝撃波にやられたセンベイは黒焦げになり、コロシアムの床の上に倒れた。
「あーっと!ブルー選手、センベイ選手を盾にして攻撃を防いだァーッ!」
「ブルー…信じていたが、まさか……そんな奴だったなんて……」
チャデスの目つきが急に鋭くなる。
「ヘッ、そんなのお前が勝手に信じたりなんかするから悪いんだろ?俺様はあくまで極悪チャオ、強きを助け弱きを挫く悪の味方だぜ」
「…………貴様ァァァ!」
ブルーの言葉に激怒し、
剣を持って突進してくるチャデス。
しかし、チャデスがブルーに近づいたと思いきや、
そこにブルーの姿はなかった。
「へへへ、ここだよ。トロい奴だな」
「………!」
怒り狂うチャデスがブルーに向けて剣を振り下ろそうとしたその瞬間、
チャデスの体はバラバラに切り刻まれた。
オレンジ色の体液が宙を舞い、肉隗が地面に散らばった。
切り刻まれるその瞬間まで『二刀流のチャデス』という名を授かっていた肉体は、
哀れ無様な肉隗となり、体液にまみれ無造作に散らばっている。
「へっへっへ…。まずは一人、だな」
ブルーの口に不敵な笑みが浮かぶ。
そして次の瞬間、彼は衝撃的な発言をする。
「俺様は……このコロシアムで戦う事になる全てのチャオを殺す」
大胆にも、ブルーは自分と戦う事になるチャオは全て殺すと宣言した。
「おおーっと!ブルー選手から『殺して勝つ』宣言です!」
ブルーのこの発言に、観客席から歓声が沸き上がった。
「俺様と戦う全てのチャオに告ぐ!お前らの命は既にないものと思え!」