ヒーローサイド５　続き２

しかし、三人の子供のチャオだけが残った。
「ん？お前達は、どこへ行きたいのかのう？」
チャオの神様の問いかけに、三人のチャオが答えた。
「僕達は、宇宙へ行きたいちゃお。」
「宇宙？」
チャオの神様は聞き返した。三人のチャオはうなずいた。
「僕達は、遠く輝く夜空の星に、願いを届けたいちゃお。」

「よし、解った。ならば、宇宙空間でも生きていけるよう、お前達に永遠の命をさずけよう！」
三人のチャオの心意気に感動したチャオの神様は、この三人に特別、永遠の命を授けた。
「わ～い、ありがとうちゃお～。」
「ただし！」
「ちゃお？」

喜ぶチャオ達に、チャオの神様は釘をさす。
「この魔法は、わしが生きている限り有効！」
三人のチャオは、聞き返した。
「じゃあ、お前はあとどれくらい生きられるちゃお？」
「あと、百三十年くらい！」
「それは微妙ちゃおね。」
戸惑いの色を見せる三人のチャオ達に、チャオの神様は困惑。
「う～む、だったら、どうしたものかのう。」
しばらく悩むチャオの神様。
「そうだ、お前達が死んだら、また卵に転生できるようにしてやろう。これで、お前達は永遠に生きられるそよ。」
「本当チャオか？それはすごいちゃお！」
喜ぶ三人のチャオ。そのやりとりを見ていて、チャニックは思った。
「あまり今と変わらないちゃおよ。」

それを聞いて、三人のチャオは首をふる。
「僕達、このままじゃ転生出来ないちゃお。」

転生とは。
チャオが生きている間、チャオが感じた様々な感情が、チャオのアレに蓄積される。
そして、その生きる喜びの感情が相当量溜まった時、そのチャオのアレがマスタージュエルのパワーを受け、チャオは転生する。
しかし、一度チャオの森に捨てられた事実は、チャオ達に深い悲しみを刻む。
この先、どんなに楽しい事があろうとも、その悲しみをぬぐいきることは出来ないだろう。
つまり、彼らは転生出来ない。三人のチャオは、薄々それに気が付いていた。
しかし、チャニックには解らなかった。

こうして、三人のチャオは、宇宙へと旅発った。
三人のチャオの壮大な冒険が、今始まった。しかしそれは、別のお話。ここでは触れません。

チャオの森に残されたのは、チャニックとチャオの神様だけだった。
「ねえ、チャオの神様。その便利なゲートで、チャニック達も脱出するちゃお。」
「ん～と、それなんだがな。」
チャオの神様は、ちょっと困惑な表情を浮かべる。

「どしたちゃお？早くしないと、爆発しちゃって、死んじゃうちゃおよ。」
心配そうなチャニックを、元気付けるかのように、明るく笑い飛ばすチャオの神様。
「いや～、すまんすまん。わしの叶えてあげられる願いは、一人のチャオにつき、一つだけなんじゃ。」
「ちゃお？」
「お前には以前、ソニックの様なもつれそうな足をやったじゃろ。だから、お前にはもう、願いを叶えてやることは出来んのじゃ。」
「え～？」
驚くチャニック。

「そんなあ、だってさっきの三人は、宇宙へのゲートと、永遠の命もらったちゃお。ヒイキちゃおか？」
「ほ～ほっほ。」
チャオの神様は、笑い飛ばす。
「いや、実はのう、あのゲートには始めっから、そゆ機能があったのじゃよ。」
「え～？それって、今考えたコジツケじゃないちゃおか？」

チャオの神様は、とりあえずその話題をそらす。
「それよりチャニック。早く逃げないとやばくないかの？」
「はう、やばいちゃお！あ～ん、助けてよ、チャオの神様～。」

そろそろ爆破まで１分は切っているだろう。
「困ったのう。お前には、ソニックの様なもつれそうな足をやることしか出来んのじゃよ。これで、走ってみるか？」
でも、チャニックは首をふる。
「駄目ちゃお～。こんな森の中でそんなスピードで走ったら、木にぶつかって、大怪我するちゃお～。」
「おお、チャニック。お前も賢くなったのう。なら、もうわしがお前の前に現れることもなかろう。さらばじゃ。」
いきなり姿を消すチャオの神様。
「わ～、ひどいちゃお～。チャニックを見捨てやがったちゃお～。」
チャニックは、駆け出した。もう、ここでぐずぐずしてられない。
そこへ、一機の機影が近づいた。
「チャニック～、無事だったんちゃおね。」
チャイルスだった。
「チャニック～、これにつかまってちゃお～。」
小型飛行機の垂直尾翼あたりにつっ立つチャミーが、ロープをたらした。
ロープにつかまるチャニック。

「よ～し、この島から遠ざかるちゃお～。」
チャイルスは、飛行機を反転させ、島から離れる。
それにしても、確かチャルネードはチャッグマンに破壊されたはず。なのに、なぜ？
チャニックの質問に、チャイルスは答えた。

チャオの神様が、新しいチャルネード改をくれたこと。
そして、この島が爆破されること、チャニックがピンチなことを、チャオの神様から教えてもらった。


その説明が終わる頃、監獄島は、爆破された。
チャニック達は、無事だった。