ヒーローサイド5 続き1
「何している、チャドー。監獄島爆破まで、もう時間が無いちゃお。お前も早く脱出するちゃお!」
「な、なんだってぇ~!」
驚くチャニック。チャドーは無言のまま、その場をあとにする。
「やばいちゃお。早くチャイルスとチャミーにも知らせるちゃお!」
チャニックもその場から駆け出した。
その途中でチャニックは、子供のチャオと出くわした。
「な、なんでこんな所にチャオがいるちゃお?」
その事実に驚くチャニック。しかし、今はそれどころではない。
「早くこの島から離れるちゃお。この島は、爆破されるちゃお!」
チャニックの言葉にビクッとする子供のチャオ。彼は、森の奥へと駆け出した。
「ば、ばか。そっちじゃないちゃお。」
チャニックは子供のチャオを追いかける。
チャオの子供とチャニックのたどり着いた場所。なんとそこには、沢山のチャオが居た!
子供のチャオがほとんどだったが、大人になったばかりと思われるチャオもいた。
その光景に、チャニックは驚くばかりだった。
そんなチャニックに、一人のチャオが声をかける。
「ここは、チャオの森ちゃお。」
「チャオの森?それは何ちゃおか?」
チャオの森のチャオは、悲しげな声で説明する。
「ここは、ガーデンを追われたチャオのいきつく森ちゃお。」
「ガーデンを追われたちゃおか?信じなれないちゃお。」
この森のチャオは、悲しげに首をふる。
彼らは、交配の為だけに卵から孵されたチャオ達だった。
そして、好みのチャオが生まれると同時に、彼らは捨てられた。
生まれたチャオも、気にくわないチャオだという理由で、捨てられた。
そんなチャオ達のたどり着く最後の土地。
それがこの、チャオの森だった。
「なんか許せないちゃおね。でも、」
チャオを捨てるブリーダーがいることに、戸惑うチャニック。しかし、今はそれどころではない。この島は、爆破されようとしているのだ。
しかし、その事実を前にしても、チャオの森のチャオ達は動かなかった。
それは、無理も無かった。
彼らは捨てられ、生きる希望も失ったのだから。
「早く逃げるちゃお!」
チャニックの必死の説得も、彼らには届かない。
「僕達、なんの為に生きているちゃおか?人生の意味を、教えて欲しいちゃお。」
説得するチャニックを見て、一人のチャオが聞いた。チャニックは、即座に答えた。
「意味など無いちゃお!」
驚くチャオ達。にわかにざわめきたつ。
「意味など無いって、そんな…。」
「おいしい木の実を食べて喜ぶことも、意味無いちゃおか?」
「いじめっこに追いかけられてドキドキすることも?」
「オールAクリアでグーリンヒルだすことも?」
「パソコンの壁紙をチャオにすることも?」
「めずらしい現象を見つけて、思わずチャオbに書き込むことも?」
「チャオの面白そうな物語が頭に浮かんできたから、週チャオに投稿することも?」
「チャオに夢中で、他のゲームがまったく手につかないことも?」
「チャオの為だけにゲームキューブとゲームボーイアドバンス買ってきちゃうことも?」
「ソニックアドバンス2買ったけど、ミニガーデン出せないから、ガーデンデータある事を願って中古ソフト買ってくることも?」
「自分の携帯にチャオ画像メールして、待受画面をチャオにすることも?」
「はあ、書いていて、なんかむなしくなっちゃったことも?」
チャオ達は皆、目に涙を浮かべている。絶望の極まりだった。
そんな中、一人のチャオが叫ぶ。
「そうちゃお、意味などないちゃお。」
みんなが一斉に、そのチャオに振り向く。
「意味なんてないちゃお。そんなことに気をとらわれずに、毎日をキラキラにすることが大切ちゃお!」
みんな、その言葉に心を打たれる。
「そうちゃお。考えてみれば、なんのことはないちゃお。僕達は、ナニをやってたんちゃお。」
「ほ~ほっほっほ。」
そこへ、なんの脈絡もなく突然、チャオの神様が現れた。
「皆のもの、よくぞそれに気が付いたのう。お前達チャオは、どこでも生きていける。こんな森に閉じこもって絶望に打ちひしがれるより、行きたい所に行って、したいことをして、楽しい人生を過ごすのじゃ。それが、チャオの幸せなのじゃ。
さあみんな、どこへ行きたい?わしが、その場所へのゲートを開いてあげよう。」
チャオとは、単純な生き物。
希望に胸をふくらませる。
「僕、ミスティックルーインに行きたいちゃお~。」
「俺もちゃお。あのジャングルをさまよってみたいちゃお。」
「オラは、マリファナ海溝に行ってみたいちゃお。」
「ワイもちゃお。素敵な深海魚を見つけたいちゃお。」
「ウチは、沖那覇に行きたいだっちゃお。」
「それがしは、津島製作所に入社して、ノオベロ賞もらうちゃお。」
チャオの神様は、みんなの行きたい場所へのゲートを開けた。
そのゲートを通り、チャオ達はそれぞれの場所へと旅発った。
しかし、三人の子供のチャオだけが残った。
「ん?お前達は、どこへ行きたいのかのう?」
チャオの神様の問いかけに、三人のチャオが