ヒーローサイド3
大平洋上空に、小さな機影が一機。
あの監獄島へ向かうこの飛行機は、チャルネード号。
操縦しているのは、スマイル・パウダー。あだ名はチャイルス。
チャイルスは、ガーデンのテレビでチャニックが監獄島に閉じ込められたのを知り、こうして駆けつける次第である。
なぜ、チャオが飛行機を持っているのだろうか?
それは、チャオの神様にもらったからである。
チャオの神様は初め、空を飛ぶのなら、テイルスの様なほうきみたいな尻尾をあげようとしたが、これだとお尻の筋肉を使いすぎてお腹がでちゃうので、チャイルスは断った。
それは違うと思うのだが。
監獄島の近くには、巨大空母が浮かんでいた。
その甲板の上にはなんと、チャミーがいた。
なんか、後ずさりしている。
よく見ると、チャミーはチャッグマンに追われていた。
「チャミーが危ないちゃお。チャルネード、モードチェンジ!」
チャルネード号が、小型飛行機から、地上戦用の兵器に姿を変える。
今まさにチャミーを襲おうとするチャッグマンの前に、チャイルスは降り立った。
よくよく見ると、チャッグマンだけではなかった。
黄金のコウモリパーツに身を固めたチャオと、あれ?もう一人は黒いチャニック?
いや、よく見ると違うみたいだった。
「チャッグマン、また何か悪いことをたくらんでるちゃおね。あれ?チャッグマン、そのメカは?」
なんとチャッグマンも、チャイルスのようなメカに乗っていた。
「そ、そのメカは?お前もチャオの神様にもらったちゃおか?」
「チャオの神様?ふふん、こっちは、チャオの悪魔ヘルチャタンにもらったちゃお。」
不気味な笑みを浮かべるチャッグマンに、チャイルスは戸惑う。
この作品の元ネタのチャオアドベンチャー2に、チャオの神様は出てくるのだが、チャオの悪魔は出てこない。
「こ、これは?何かの伏線ちゃおか?」
チャイルスは身震いする。
それを見て、チャッグマンは一気に畳み掛けた。
「この勝負もらったちゃお。ターゲットロックオン。」
不気味なうなり声をあげるチャッグマンのメカ、チャッグウオーカー。
「うわ~、なにかやばげちゃお~。」
うろたえるチャイルスに対し、チャッグマンは冷静だった。
「チャオー砲、発射用意ちゃお。」
「チャ、チャオー砲?」
「セイフティロック解除。エネルギー充填、60%。 80%。」
チャッグマンの冷静な言葉に、ますますあわてるチャイルス。
「わ~わ~、なんなんちゃお~?」
「エネルギー充填、100%。 120%!」
チャッグウオーカーの前方に、エネルギーが集まっていくのが、チャイルスにも分かる。
「このままじゃ、危ないちゃお!」
チャイルスは、傍らのチャミーをまきぞわないよう、甲板から海上へと飛んだ。
「逃げても無駄ちゃお。総員、対衝撃・対閃光防御。チャオー砲発射!!」
チャッグウオーカーから巨大な光の束が放たれる。
チャルネードを直撃。
チャルネードは海のもくずとなり、チャイルスは海へ放り出された。
「あっぷあっぷ。」
海上で、チャイルスはもがく。
チャオとは、どんなにオヨギの数値がなくても、水面に浮かぶことができ、思い通りの方向に進むこともできる生物だった。
そう、チャイルスは無事だった。
ふと、チャイルスは巨大空母の横に文字が書いてあることに気が付いた。
『ジャガーバルカン』
「ジャガーバルカンちゃおか?そうか、この巨大空母は、ジャガーバルカンだったちゃおか。なら、この中に、コスモバルカンと、ブルバルカンが入ってるちゃおね?」
チャイルスがその事実に気が付いた時、軽快な音楽が鳴り響いた。
ちゃ~ら~ちゃらたんた~ん。ちゃ~ら~ちゃらた、ちゃ~ら~たたた、
ちゃら~たたた~たた~たた~ん。
う!う!う!う!
巨~大空母だジャガーバルカン~。
コスモとブル~が発進した~ぞ~。
ふ~た~つぅのメカが~、ひ~と~つぅになっあて~、
見~たか生まれる無敵の~ロボだ~。
チェエ~ジ!
サ~○○○○ンロボ。
ゴオ!
サ~ンバカ~ンロボ~~!
う~なり続けるバルカン砲~。
敵は悪魔だ~、ヘルチャタンだぁぁ~~。
チャッグマンの目の前に、巨大ロボが現れた。
身長50メートルくらいのが。
見上げるチャッグマン。
「お前なあ、もっとみんなが分かることしろちゃお~。」
巨大ロボのコックピットに、チャイルスがいた。
「ふふふ、バカこくでねえちゃお。お前のチャオー砲は、70年代ちゃお。こっちは、80年代ちゃお!」
強引な説明におののくチャッグマン。
「いや、こっちの方が有名ちゃお。」
「がたがたうるさいちゃお!」
上から見下ろすチャイルスは、強気。
「もう面倒くさいから、このまま踏み潰してやるちゃお!」
巨大ロボの足が、チャッグマンに迫る。
「やめて、チャイルス~。」
そんな二人の間に、チャミーが割って入った。
巨大ロボの足が止まる。
「チャミー、そこをどくちゃお。」
「いやちゃお。」
チャミーは、がんとしてゆずらない。
「このメカは、悪いメカじゃないちゃお