ヒーローサイド2

「なぜかって?あはははは。チャオの子供は、わんさか増える。いっぱいいすぎて困るブリーダーもいる。そんなチャオを食べて何が悪い。」
な、なんという勝手な理由!
思わず気が遠くなるチャックルズだが、あることに気が付いた。
蟹達の大きさが違う。
一匹だけ大きい。

チャックルズはそっと、オモチャオにたずねる。
この蟹達は、親子だった。母蟹と子蟹達。
その事実に、チャックルズは怒る。
「やい、母ガニ!」
母蟹をにらみつけるチャックルズ。母蟹も睨みかえす。
ふと、チャックルズは虚空の一点を見つめ、そのまま首を曲げ、横を見る。母蟹もつられて、チャックルズの視線を追う。

今だ、ていりゃあぁ!

チャックルズは近くにいた子蟹に、スパイラルアッパーをぶちかます。
上空高く吹き飛ばされる子蟹。
視線をもどした母蟹は、子蟹が一匹足りないことに気付いた。

母蟹は、狂ったように池じゅうを探しまわる。

さんざん探し回って疲れ果てた母蟹に、チャックルズは言った。
「どしたちゃお?お前にはこんなに沢山子供がいるのに、一匹いなくなっただけでなんでそんなに慌てるちゃおか?」
「な、何を言う!どんなに沢山いても、一匹一匹が私の子供。子供がいなくなって悲しまない母親がどこにいましょう。」
そんな母蟹にチャックルズは声を荒げる。
「お前は、こんなにいる子供の一人がいなくなっただけで、そんなに大慌てするちゃお!お前に子供を食べられたチャオの母親の気持ちが、なぜ解らないちゃお!」

母蟹はその言葉に、胸を打たれた。そして、もうチャオの子供は食べないと誓った。
すると、上空に吹き飛ばされた子蟹が落ちてきた。
しっかりと子蟹を抱きしめる母蟹。その目は、やさしい母親の目だった。


「これで、もう安心ちゃお。でも…。」
かにかに池をあとにするチャックルズ。
池に平和は戻ったが、チャックルズは得られなかった。マスタージュエルを掘り出すスコップを。

そんなチャックルズの前に、7人のチャオが立っていた。
さっきのレースに参加したチャオ達である。
「お前達、みんな無事だったちゃおか。よかったちゃお。」
子供達は、チャックルズにお礼を言う。
そして、一人のチャオが両手を差し出した。
彼の手には、スコップが握られていた。
「お兄ちゃん、これが欲しかったんちゃお?僕達を助けてくれたお礼ちゃお。」

チャックルズは、子供達から受け取ったスコップを握りしめ、風の谷の遺跡にもどってきた。

そして壁を掘り、壁の向こう側へと抜ける。
そこには、泣いているルビーチャオがいた。

チャックルズがルビーチャオにふれると、ルビーチャオはマスタージュエルの破片に姿を変えた。
ただの宝石と、間違われない為のマスタージュエルの知恵だった。


「ふう、手間取っちまったちゃお。」
チャックルズのジュエル探しの旅は、始まったばかりである。

このページについて
掲載号
週刊チャオ新春記念特別号
ページ番号
7 / 59
この作品について
タイトル
チャニックアドベンチャー2
作者
あさぼらけ
初回掲載
週刊チャオ第94号
最終掲載
週刊チャオ第118号
連載期間
約5ヵ月18日