激闘編最終話　疾走！二人のカケチャ

ギャリック砲制御室。
チャドーはそこの窓から、爆発するカプセルを見ていた。
「ふん、所詮はただのカケチャオだったちゃおか。ん？」
ふと、隣りの中央制御室から声がします。ギャリック砲のエネルギー源のカオス系チャオのアレがセットされている部屋です。

「七つ集めれば、なんでも願いを叶えてくれるという、伝説の至宝、カオス系チャオのアレ。」
声の主は、ルーチャでした。
「そのうち六つが今や、アタシのものちゃお。」
ルーチャは喜びに両手を広げます。
「そいつはどおちゃお？」
ルーチャは振り向きます。チャドーです。
「最初からそれがお目当てだったちゃおね。それとも、大統領の命令ちゃおか？
　連邦政府大統領、専属エージェント、ルーチャ・ザ・ゴールデンバット。」
チャドーはルーチャをにらみます。

「あ～ら、アタシのこと調べたちゃお？プライバシーの侵害ちゃお。」
「それはお互い様じゃないちゃおか？
　可憐な少女の涙のみと手を結ぶと言う、ゴールデンバット族。
　そいつがチャッグマンの計画に手を貸そうということ自体、おかしいちゃお。」
チャドーの本質を突いてくる言葉に、ルーチャは言い争う気が起きません。

「はん。そこまでばれてちゃ、なんも言い訳できないちゃお。
　やる事終わったちゃおし、頂くもの頂いて帰ろう思ってちゃおさ。」
「とんだ食わせ者ちゃおな。」
チャドーの言葉にルーチャは、ちょっとくるものがありました。
「あ～ら、そゆアナタはどうちゃお？」

ルーチャの手には、あるファイルが握られています。
「究極の生命体開発計画、プロジェクト『チャドー』の経過報告書ちゃお。」
ルーチャはそこに映る写真をチャドーに見せます。
「もし、ここに映ってるのが本物の究極生命体『チャドー』なら、
今アタシの目の前にいるあなたは、一体何者なのちゃおかしら？」
チャドーは答えません。

その時突然、コンピューターがカオス系チャオのアレの存在を捉えます。
どうやら、何者かがギャリック砲の砲身に向かっているようです。カオス系チャオのアレを持って。
チャドーはピンときました。チャッグマンのヤツ、しくじったちゃおか？
こうなったらチャドーは、ギャリック砲の砲身に向かわなければなりません。
「命が惜しければ、カオス系チャオのアレは置いていけちゃお。」
そう言ってチャドーは砲身に向かおうとします。
「アンタ、自分が本当にチャドーだって信じてるちゃお？」
ルーチャは呼び止めます。
「アンタのその記憶こそ、偽物かもしれないちゃお。」
ルーチャの言葉に、チャドーは足を止め、目をつむります。

たしかに、そうかもしれない。しかし、…。
「たとえ僕の記憶がフェイクだとしても、僕にとってはそれが全てちゃお。
　麻里愛（マリア）の願いを叶える。ただ,それだけちゃお。」



チャドーはギャリック砲の砲身に続く、宇宙空間に架けられた一本道で、青いカケチャを見つけます。
「驚いたちゃお。あの爆発で生きていたちゃおね。」
後ろから歩きながら、チャドーが声をかけます。
チャニックも歩きながら答えます。
「あいにく、日ごろの行いがいいのが取り柄ちゃお。お前のおかげで、助かったちゃお。」
チャニックの手には、カオス系チャオのアレがにぎられています。当然偽物の。
「ま、まさかそんなフェイクを使って、カオスコントロールを？」
チャニックは、にやりと笑います。
二人の歩みが、速まります。
「どうやら似ているのは、見た目だけじゃないらしいちゃお。君は一体何者ちゃお！？」
「オレはオレちゃお。」
チャドーの疑問に、チャニックは答えます。
「お散歩好きなただのカケチャオ。チャニックＺａＡＲａｉｆｕちゃお！」
「なるほど、綴りが間違ってるちゃお。だが、もはや君の存在は無視できなくなったちゃお。」
二人はいつしか、最高速で駆け出しています。
「君のお散歩は、ここで終りにしてもらうちゃお！！」
「そろそろ決着をつけるちゃお、チャドー！」


このギャリック砲への一本道は、数ブロックから出来ており、時間とともに後ろのブロックから崩れていきます。
けん制しあいながら最高速で駆ける二人のカケチャ。


(truncated)後半へ続く！
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キャラクター紹介その６
チャミー・ローズ

なんのひねりもない名前で、ごめんなさい。
チャニックと同じ、ハシリ二次進化のハシリタイプ。
ただし、緑系での二次進化ではなく、ピンク系での二次進化チャオ。
その為、体全体がピンク色っぽく染まり、とげとげしい頭も、丸みをおびている。

チャニック達のチャオワールドからは遠く離れた、いわば異世界のチャオ。
遠くまでお散歩しにきたチャニックに、一目ぼれ。
それ以来チャニックをつけまわすストーカーチャオになる。
チャオに、オスメスなど無いのだが。

その世界の、『Ｃ−ワングランプリ』で優勝。
その賞品の、巨大ピコピコハンマーを隠し持つ。
七色の蹴りを操るチャオで、必殺技は『飛燕鳳凰脚』！
でも、今作でその出番なし。