激走！ヒーローレース

第二戦後、チャニックはレース場から出てきた。
チャイルスとチャミーが駆け寄ってきた。
「駄目ちゃお、ハシリだけじゃ勝てないちゃお。」
チャニックは今回のレースで、それを痛感した。
「え～、じゃあどうするちゃお？」
チャミーが思わず叫びます。
「やっぱりパワーアップしかないちゃお。」
チャイルスが答えます。
「方法は二つちゃお。小動物のパワーを得るか、カオスドライブを飲み込むか。」
「カオス？」
チャニックはその単語に反応します。
「カオスドライブ。監獄島のチャオ兵器研究所で開発された、永久機関ちゃお。カオス系チャオのアレのパワーを凝縮されたものだから、ボク達チャオにも、すさまじいパワーをくれるちゃお。」
チャニックは、そのカオスドライブを得ることにしました。

チャオガーデンを一歩出ると、監獄島の無人警備隊や警察の無人起動警備隊が、雲霞の如く集まってきました。
チャイルスがその全部をチャルネード改のロックオンレーザーで破壊します。
破壊されたメカからは、その動力源であるカオスドライブが放り出されます。
チャニックはその一つを飲み込みます。
「う、うまいちゃお～！」
あまりのうまさに、その場で一回転。
「え～、そんなにうまいちゃお？アタシも飲み込みたいちゃお～。」
チャミーも一つ食べようとします。
「駄目だよチャミー。これはチャニックのパワーアップに必要ちゃお。」
チャイルスが制します。
「ちぇ～ちゃお。チャミーつまんな～いちゃお。」


「よ～し、これくらいパワーアップすれば、十分ちゃお。チャイルス、俺はまたレースに挑戦してくるちゃお。」
ある程度カオスドライブを飲み込んだ後、チャニックは言いました。
「じゃあボクは、残りの無人メカを全滅させるちゃお。」
そう言ってチャイルスは、まだまだロックオンレーザーを打ち続けます。
チャミーも残ります。カオスドライブを飲み込みたいから。


ヒーローレースの第三戦は、死神チャオ軍団です。
「お前、死相が見えるちゃお。」
がいこつをかぶったチャオが言います。
「え～？シソウって何ちゃお？それより、なんでそんなのかぶってるちゃお？」
逆にチャニックは聞き返します。
「こ、これはかぶりものじゃないちゃお。これが私の素顔ちゃお。」
死神チャオがそう答えます。
「うっそちゃお～。その下の素顔は、かわいい女の子だったりするちゃお。」
「ば、バカ！チャオに性別は無いちゃお！」
「え～、じゃあ、チャニックが勝ったら、素顔を見せるちゃお。」
「よかろう。ただし、」
死神チャオは答えます。死神の鎌をチャニックの首にあて続けます。
「私が勝ったらその首、もらうちゃお。」


こうして第三戦目がスタートします。
さっそくチャニックはぶっちぎります。
コースは途中で途切れ、谷川が流れます。
しかし、カオスドライブでパワーアップしたチャニックは、川にはつからず、なんとか向こうの崖にしがみつきます。

崖を登ると、一息つける、ランチタイムです。
チャニックは木をゆらし、木の実をゲットします。
がっつくチャニック。「うっ。」思わずのどにつまらせます。
胸をおもいっきり叩いてる間に、死神軍団が追いつきます。
なんとか飲み込んだチャニックは、なみだ目で駆け出します。

係員のオモチャオの案内で、長い崖を登ります。
下を見れば、目もくらみそう。この高さから落ちたら、生きてはいられないだろう。
しかし、チャニックは見事に登りきる。
そしてそのまま、ぶっちぎり優勝。


「さあ、約束通り、素顔を見せるちゃお。」
「ち、しょうがないちゃお。」
死神チャオは、がいこつをチャニックにわたします。
しかし、チャオの顔がありません。
「あれ？お前は顔だけ透明ちゃおか？」
「だから言ったちゃお。」
その声は、チャニックの手元からします。
「これが私の素顔ちゃおって。」
なんと、チャニックの持っているがいこつが、しゃべっています！
チャニックは思わず気を失いました。



「お～い、起きるちゃお。」
チャニックは、目を覚まします。
「あ、ダークカオス君。」

チャニックの目の前に、ダークカオスが立っていました。
「正直、お前がここまでやれるとは、思わなかったちゃお。ハシリだけじゃなかったちゃおね。」

ヒーローレースの最終戦は、ダークカオスとの一対一の勝負だった。
二人は、同時に駆け出す。


そして二分後！
チャニックは見事、ダークカオス君を負かしました。

「ふ、お前には負けたちゃお。同じコースを二度も書きたくない誰かさんにもちゃお。」

ダークカオス君は、自分のチャオのアレをチャニックに貸しました。
「これで、僕達のガーデンの平和を守ってほしいちゃお。君になら出来るちゃお。」
ダークカオス君の励ましに、チャニックは大きくうなずきます。

「よ～し、カオス系チャオのアレ、ゲットちゃお！」