第二百二十一話
今現在、階段に居たチャオはすべて元に戻っていた。
何人かはまだ意識は戻らないが、気を失っているだけなので問題は無かった。
フォル「あ~疲れた・・・」
メタル「そう?」
フォルとメタルは計算で足りなかった分の水を集めてきていた。
メタルは楽々と運んでいたが、それはメタルだからであり、フォルにとっては、相当しんどい作業だっただろう。
ルゥ「もう無理・・・」
ルゥはまたもへたり込んでいた。
それをライドが無理やり起こす。
ライド「お前よりあっちの人のほうが働いてたと思うのは気のせいか?」
ライドが言う『あっちの人(チャオ?)』とは最初に助けたあのチャオである。
あの後、泥人形に襲撃されて、逃げ帰ってきたのをライドが撃退。
安全のため見回りはルゥに代えて、あのチャオを水をかけるアシスタントにしていた。
そんな中、例のチャオが少々遠慮したような声でライドに問いかけてきた。
チャオ「あの・・・これから私達はどうすれば・・?」
ライド「そうだな・・・下の階にはまだ奴らが残ってるだろうし・・・・」
ライドが額に手を当てて某芸術品のようなポーズをとる。
ちなみに下に敷かれているのはルゥである。
ルゥ「重い・・・のいてぇ・・・」
ライド「ん~・・・仕方ない。一旦、俺らでここの人たちを外まで連れて行くか。」
ライドの提案にフォル、メタルも頷く。
それをみてライドは下に顔を向けて、ルゥをみると、「な?」と言って微笑む。
ルゥも苦しそうな顔でこくりと、頷いた。
ライド「おしっ!そうと決まれば早速いくぞ!」
ルゥから腰を上げ、一人で階段を下りていくライド。
それをみて、他の三人は、
フォル「んじゃ、先頭は俺とあいつで守るからお前は後ろを頼む。あ、ルゥは回復するまで他の人におぶってもらえ。」
そういってフォルもライドに追いつこうと早足で階段に向かう。
途中で大声で、俺についてこい、と叫んでいた。
敬語を知らんのかこいつは。