第二百二十話
フォルたちは階段が見えなくなるぐらいに敷き詰められた干からびたチャオのうちの一人を持ってきた。
それを床に敷いて、ポリタンクのふたを開け、干からびたチャオの上にバチャバチャと水をかける。
すると、そのチャオは少しずつ潤いを取り戻し、縮んだ体もゆっくりと元に戻っていった。
チャオ「うぅ・・・」
そのチャオは元に戻ると同時に目を開き、ガバッ!と起き上がった。
チャオ「はぅ!?ここは・・・」
チャオは辺りをキョロキョロ見渡すと、四方を囲んで見ていたフォルたちに少し驚いていたが、すぐに落ち着きを取り戻した。
チャオ「あの、私は・・・」
フォル「おっしゃぁ!!戻ったぁ!!」
突然叫んだフォルにまたも驚き、後ずさりながらも、すぐに向きを変えて、今度はメタルに問いかけた。
チャオ「あの・・・」
メタル「う~ん、ポリタンクの三分の一の水で一人が助かるからこの人数だと・・・ブツブツブツ・・・」
メタルもブツブツ難しい計算をしていたので、今度は後ろに居たルゥに話しかけようとする。
だが・・・
ルゥ「・・・・・」
チャオが元に戻ったことに安心したと同時にストーン連発の疲労がどっと押し寄せて、すごくつらそうだった。
チャオ「・・・・」
ライド「・・・お前らなぁ・・・・」
チャオは最後にライドに向いて、現状を尋ねようとする。
チャオ「あのぉ・・・」
ライド「ん?ああ・・・え~と・・・何だ・・その・・・」
と、多少分かりにくいところもありながら説明するライド。
ライド「・・・わかりましたか?」
チャオ「・・ええ、大まかには・・・」
そう言って、苦笑するチャオ。
ライド「・・・まぁ、とりあえず・・・そうですね・・あ、この辺に泥人形みたいなのが現れたら教えてください。なるべく離れないように。」
チャオ「は、はい。わかりました。」
チャオはそう言って四人の中から出て、辺りをキョロキョロ見回す。
チャオ「異常ありません!」
ライド「・・・そんな感じで頼みます。」
ライドは多少呆れたような声で言った。