二百十九話

【クレイス警察署 休憩室】

テンオウ「ZZZzzz・・・・」

クレイスタワーとは打って変わって平凡な警察署。

テンオウ「ムニャムニャ・・・・」

ガバッ!!

テンオウ「一万年と二千年前から本郷猛は改造人間である!!!!!!!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

テンオウ「・・・夢か・・」

レンファ「どんな夢だよ。」

テンオウが声がしたほうに振り向くと椅子に座りながら呆れた顔でこっちを見ているレンファが居た。
本を持っていることから、おそらく読書中だったのだろう。

テンオウ「・・・どんなだったかな・・・」

よくあるぞ、起きたときに夢の内容が思い出せないこと。

レンファ「まぁ、どうせろくでもないことだろうけどね・・・」

レンファが本にしおりを挟み、閉じる。
だが、テンオウは少し顔をしかめて、

テンオウ「いや・・・何か・・すごく不吉な夢というか・・・何か・・・胸騒ぎがするんだが・・」

レンファ「起きたとたんにあんな寝言言う夢のどこが不吉なんだよ・・・」

呆れた顔のままレンファが休憩室から去っていく。
一人取り残されたテンオウは、未だに顔をしかめたままだ。

テンオウ「・・・なんなんだ・・?一体・・・」

【クレイスタワー三階】

泥人形達は階段の横いっぱいに広がって上ってくる。
そえをルゥがストーンで押し返す。
そんな状況がしばらく続いていた。

ルゥ「くっ・・・(そろそろ体力の限界かな・・・早くして・・・)」

そこへライドが自分と同じぐらいのサイズの大きなポリタンクを担いで走ってきた。

ライド「あったぞ!!大分ぬるくなってるけどな!」

ライドに続いてフォルとメタルもこっちに来る。
メタルはポリタンクを三つ積み上げて運んできていた。

ルゥ「助かるよ・・・僕ももうそろそろ限界だ・・・」

ライド「わかった、攻撃をやめてくれ。」

ルゥはその後すぐに床にヘタヘタと座り込んだ。
そして、今度は打って変わってフォルが前に来る。
その両腕にはしっかりと双剣が握られていた。

フォル「これ・・・ホントに大丈夫なのか?」

フォルがライドたちに問う。
それに対し、ライドは自信満々にこういった。

ライド「俺の考え出した結論だ!成功確立は50%だ!」

フォル「二分の一かよ!!」

そう突っ込んだ後、泥人形がすぐそこに迫っていることに気づくフォル。
そして、次の瞬間!

フォル「これでも・・・喰らえぇぇぇ!!!!」

フォルは泥人形の大軍に向けてフレイムマグナムを放った。
灼熱の弾丸が泥人形達の一箇所に衝突し、弾ける。
すると・・・

泥人形「あううぅぅ・・あぁぁぁ・・・・」

なんと、そのあたった場所の泥人形は固まってしまったのだ。
それもそのはずである。
本来泥は土が水を吸ってぐちゃぐちゃになっているもの。
そこから水分を取り上げれば残るのは土だが、地面にある土よりも水分を含まないため、カチカチになってしまっているのだ。
土器を作るのと同じことである。

フォルはどんどんフレイムマグナムを放ち、泥人形を硬貨させてゆく。
奥のほうから狙っていたので、道は固くなった泥に塞がれ、泥人形達は次から次へと固まっていった。

そして・・・

フォル「よし、これでここに詰まってた奴らは全部カチカチだな。」

階段はすでにカチカチになった泥人形で埋め尽くされていた。

ライド「よし、メタル。頼んだぞ。」

メタル「まかせてよ♪」

メタルはそう言って斧を取り出すと、

メタル「おりゃぁぁぁぁぁ!!!!」

カチカチになった泥に思いっきり振り落とした。

チャオの身長の三倍ぐらいある斧が泥にめり込み、周囲に亀裂を走らせた。
メタルは斧を引き抜くと、それをしまい、泥の上に乗ると、

ダンッ!

と思いっきり足踏みをした。

すると・・・

ガラガラガラ・・・・

泥は、最初は大きく、だが、最後は聞こえないぐらいの音を出して崩れ落ちた。
そして、残ったのは・・・

ライド「うっ・・・」

ルゥ「ひどい・・・」

干からびたチャオたち・・・

フォル「・・・速く・・!水を!!」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第326号
ページ番号
226 / 229
この作品について
タイトル
バトルプログラム
作者
銀音(銀鉄,マスター)
初回掲載
週刊チャオ第202号
最終掲載
週刊チャオ第328号
連載期間
約2年5ヵ月1日