第二百十話
それでは、一~三階はここまでにしといて、四階いってみましょ。
カイ「今更戻しても意味ないんじゃないの?結構分かっちゃってるし。」
だ ま れ
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【現れし泥人形】
【クレイスタワー四階】
四階の廊下に四人の足音が静かに響き渡る。
全員「・・・・」
今まで全員一言も喋っていない。
皆、それぞれの武器を構え、鋭い目で周りを見渡し、何が起こってもすぐに対処できるように警戒している。
・・・カチャ!
音のなったほうに全員が武器を向けた。
いや、三人が武器を向けた。
シン「ひっ・・・」
シンが思わず声を出した。
その足元にはCDが落ちていた。
どうやらシンが落としてしまったようだ。
レスト「・・・もっと気を引き締めろ。いつ敵に襲われるか、わからないんだぞ。」
レストはシンにそう忠告すると、また歩き出した。
カザフとピンキーもそれについて行った。
すいません、と言ってからシンもすぐに三人を追いかけた。
その状態で見回ること数十分・・・
四階のほぼ全体を見回った所で、シンが口を開いた。
シン「・・あの・・ここには何もいな「・・・いや、いる。」
その言葉を遮り、カザフが答えた。
シン「いるって・・・足音も何も・・」
ピンキー「いるよ、チャオ以外の何かが・・・」
シン「え・・・」
シンがピンキーの台詞にそう呟いた直後。
レスト「・・・来るぞ!!」
レストがそう叫ぶと同時に五体の泥人形が襲い掛かってきた。
シン「な・・何こいつら!!?」
そんなこと言ってるうちに、一匹がシンに飛び掛ってきた。
そいつをレストが銃で撃ち、バラバラにした。
レスト「走れ!!」
レストの掛け声と同時に、カザフとピンキーが走り、少し遅れてシンが走り出した。
相手は動きが鈍く、移動も遅かったので、振り切るのにあまり時間は要らなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
シン「あれ・・・一体何なの・・・?」
息を切らしながら、シンが三人に聞いた。
レスト「分からない。」
疲れがまったくない顔でレストが答える。
レスト「ただ、分かることは・・・」
三人がまた武器を構えた。
シン「え・・?」
レスト「・・・相当数が多くて・・・しつこいことだな。」
そう答えてから間もなく、大量の泥人形が四人の周りに現れた。