第二百八話

【泥人形の中】

【クレイスタワー二階】

フォルたち四匹はそれぞれ武器を構えた。
現在、泥人形は、四匹を中心に円形に囲んでいた。
しかも、現在進行形でどんどん近づいてくる。

メタル「どうするの?」

フォル「ルゥ、お前のストーンで道を作ってくれ。」

ルゥ「了解。」

フォル「そこを一気に走り抜ける。先頭はメタル、頼めるか?」

メタル「うん。」

フォル「メタルは前で斧を振り回して泥人形共をなぎ払ってくれ。ライドとルゥはメタルの後ろで『こぼれ』を倒す。ライドのナイフじゃ多分バラバラになんねーだろうからひるんだところを俺が斬る。わかったか?」

ライド「まぁまぁな作戦じゃねーか?」

ルゥ「了解。それじゃ、行くよ!!ストーン!!」

ルゥがストーンを発射すると同時に、メタルが走った。
ストーンにより、泥人形たちは次々にバラバラになり、泥だらけの道ができた。

フォル「行くぞ!!足を滑らさないように気をつけろ!!」

三匹「了解!!!」

フォルの作戦どおり、メタルが先頭に立ち、近づいてくる泥人形たちをまとめてぶっ飛ばした。
斧の側面を使ってダメージを与えているため、泥人形は綺麗に飛び散っていく。

その後ろを大岩とナイフが飛び交い、泥人形にダメージを与える。
大岩は、泥人形をそのままバラバラにし、ナイフは、泥人形の気を引き、そこをすかさずフォルが切り倒していった。

泥人形たちは、倒されるたび、ぐぁぁぁぁぁ・・・などの悲鳴をあげた。

メタル「っ・・!」

ルゥ「たとえ泥人形でも・・・」

ライド「こんな悲鳴あげられたら・・くっ・・・」

フォル「惑わされるな!!こいつらは所詮どろ・・・」

フォルが泥人形を斬った瞬間、その台詞の続きは途中で消え失せた。

フォル(何だ・・・これは?)

フォルが切り捨てた泥人形。
その切り口から、泥人形の中が見えた。

フォル「・・・チャ・・オ?」

泥人形の中には、完全に干からびたチャオが居た。
水分が失われ、体中しわしわで縮んでいた。

チャオ「たす・・け・・て・・・」

フォル「ぁ・・・・・ぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!!!」

フォルの足の動きが止まった。

ライド「!?おい!何してんだ!!」

ライドはすぐにフォルのところに引き返し、フォルを抱えた。

ライド「しっかりしろ!!どうした!?」

フォル「チャオが・・・チャオが・・中に・・」

ライド「え・・・」

二人に泥人形たちは、容赦なく襲い掛かってきた。
ライドは、フォルを抱えたまま泥人形を避け、二人に追いついた。

ルゥ「どうしたの?」

ライド「こいつが・・・何か見たらしい。中にチャオが居たって言ってた・・・」

ルゥ「えっ!?」

ライド「パニクんのは後だ、とりあえずこっから脱出するぞ!!」

三人はそのまま泥人形たちを倒しながら、三階へと上っていった。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第301号&チャオ生誕9周年記念号
ページ番号
215 / 229
この作品について
タイトル
バトルプログラム
作者
銀音(銀鉄,マスター)
初回掲載
週刊チャオ第202号
最終掲載
週刊チャオ第328号
連載期間
約2年5ヵ月1日