第百八十八話
【根性】
フォル「長期戦に持ち込んでやろうか?」
バース「そいつは困る・・・ってわけでもないな、双剣に換えりゃ問題ねぇし。」
フォル「やっぱ?」
と、言い終わった直後すぐにフォルが斬りかかる。
バースは振り下ろした大剣を持ち上げ、攻撃を受けた。
そして、大剣を思いっきり蹴った。
攻撃を止められ、真ん前にいたフォルは大剣に突き飛ばされた。
フォルは軽く飛び、尻もちをついた。
バースはジャンプして、大剣を振り上げ、フォルに飛び掛った。
フォルはそれを体を右に動かして避けた。
大剣は地面に刺さり、バースは今柄の部分を持っているが地面に足がついていない。
フォル(チャンスだ!!)
フォルはその隙を狙い、バースに突きを入れようとした。
バースは大剣を蹴って後ろに飛んで、攻撃をかわした。
そしてすかさず双剣を取り出し、身構えた。
バース「残念だったな。」
フォル「まったくだぜ。」
最初と同じく、二人は同時にお互いに向かって走り出した。
フォル「いくぜぇ!!」
バース「スマンなw」
フォル「ぇ・・・」
バースはジャンプしてフォルを飛び越え、大剣に向かって走った。
フォル「あっ!しまった!!」
フォルは急いで方向を替え、バースを追った。
だが、バースはもう大剣にジャンプで乗っていた。
フォル「させるかぁ!フレイムマグナム!!」
フォルはまたも、炎の塊を発射した。
だが、バースは大剣の上でジャンプしてそれを避け、二本の双剣を大剣の横に投げた。
バース「(今回は足場が不安定だが・・・)いくぞ!!サンダーワールド!!」
バースがジャンプしてそう叫ぶ。
すると三本の剣から大量の雷が放出された。
フォル「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
バース「これで・・・・」
バースはフォルの叫びを聞き、勝ったと思っていた。
だが、フォルの叫びは決して雷によるものではなかった。
フォル「ぐぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
フォルは雷の中から黒焦げで出てきた。
バース「んなっ!?こいつ・・・!?」
フォル「おりゃぁぁぁぁ!!!」
そしてバースに向かって飛んできた。
だが、あまり速くはない。
バース「これなら双剣で・・・あ・・・」
―武器が・・・ない・・・
バースは一瞬戸惑った。
その隙にフォルはバースに近づき・・・
バース「!しまっ・・・」
フォル「おりゃぁ・・・・」
バースを殴った。
力はなかったが、バースを落とすには十分だった。
バース「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
だが・・・
フォル「ぐぅ・・・」
フォルも落ち・・・
フォル「ぐぅ・・・ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
やがて雷は収まり、黒焦げになった二人が見えた。
フォル(あぁ・・・チクショウ・・体が・・うごかねぇ・・・だいぶ無理したもんな・・・声だすだけでもかなりつらかったし・・・口動かした感じが・・なかったしな・・・やべ・・意識が・・・結果は・・・俺の・・負け・・か・・・・・な・・)
バース(クソ・・・体が・・痺れて・・こいつ・・こんな状態で俺を殴り落としに着たのか・・・?ん・・・殴り・・・あ・・・武器がなかったら打撃を使えばよかったんだ・・・はは・・馬鹿だな・・お・・・れ・・・)
【ドーム中央】
二人「・・・・」
司会者「・・完全に二人とも気絶してますね。医療班、二人を医療室に連れて行き、ベッドで休ませておいてくれ。」
二人は、数人係で運ばれていった。
司会者「では、結果を調べに行きます。」
【観客席】
カイ「エルフィスとの勝負の時は0.4秒差で勝ったんだよね。」
エルフィス「うん、そこまで正確に測れるなら・・・・」
メタル「この勝負・・どっちが勝つんだろう・・・」
~十分後~
司会者「結果が出ました。バース選手の勝利です!気絶の時間差は約一秒、これでもフォル選手はがんばりました!!」
【医療室】
レスト「フォルが負けたか・・・」
レストが二人の寝ているベッドを見る。
レスト「しかし・・・あの雷の中を抜け出してくるとはな・・・フォル・・・これから、どう成長していくか・・・楽しみだな。」
レストはそういって眠りについた。
そのレストの顔は、すこし、微笑んでいるようにも見えた。