第百四十一話
【ホールの過去】
タイムスリィィィップ!!(黙
ホール「ではこちらも始めますか。」
シン「か・・かかって来い!!」
ホール「僕は接近戦タイプじゃないんでね。それに・・普通でもないのさ。」
シン「普通じゃない?」
ホール「見たでしょ、この攻撃。ウェポンホール!!」
渦が現れ、そこから武器がたくさん飛んできた。
シン「うわぁ!」
シンは一応全部避けきった。
ホール「こんな魔法も武器もないでしょ?」
シン「じゃ・・・じゃあどういうこと・・・?」
ホール「・・・僕の腕を見てみなよ。」
シン「?」
ホールの腕には、オニキスボディでよく見えないが、藍色の模様みたいなものがある。
シン「これは・・・」
ホール「・・・僕は・・・人口的に生み出されたチャオなんだ。」
シン「!?」
ホール「僕は成功したチャオの最初の一体であり、最後の一体。」
シン「最初であり・・・最後・・ということは・・・」
ホール「そう・・・今はもうある理由で作られていないけど。僕は作られてすぐカプセルに入れられた。そして手に変な模様を付けられた。それがこれさ。」
ホールは手の模様を軽く触る。
ホール「とても窮屈だった・・・」
~以下ホール談~
僕はカプセルの中で何日も何日も過ごした。
奴らは外でもう出しても大丈夫だ、とか言ってるくせには僕を出してくれなかった。
僕は話し相手も居ずに、一人でずっと過ごしてた。
研究員も誰一人として話しかけては来なかった。
たまに僕に向かって言う言葉といえば「邪魔だなぁ。」とか「もう必要ないし、どうする?」とかそんなのばっかだった。
奴らは自分達の研究ばかりで、僕みたいな人工生物を作ることしか考えてなかった。
それから数ヶ月。
奴らは新たな生物を作るのに成功した・・・はずだった。
そいつは形をうまく整えられず、チャオとは呼べない液体のような奴だった。
だが、そいつにも命はあった。
なのに奴らはそいつを失敗作の集まる倉庫にいれた。
僕みたいなカプセルに入れて。
僕は奴らをゆるせなかった。
僕はそれから長い間奴らの目を盗んではカプセルを割ろうとした。
カプセルはかなり頑丈で、簡単には割れそうもなかった。
でも僕は諦めなかった。
頑張って、頑張って、頑張った。
だけど・・・遅かった。
僕はやっとのことで脱出した。
近くに居た研究員を数人僕のこの手の模様の力で四次元に送った。
そして失敗作の倉庫に着いたときには・・・
そいつは・・・もう死んでた。
でも、形はチャオになりかけていた。
こいつも、諦めなかった。
でも、あいつが倉庫に送られてから、チャオの製造は終わっていたから、失敗作が出なかったせいで、誰も来なかった。
だから・・・こいつはせっかくチャオになりかけてたのに・・・誰も気づかなかった。
そして死んだ。
僕はここの研究員に復讐した。
全員を、殺した。
そして、バレないように死体を四次元に飛ばした。
そして、そこで偶然その光景を見ていたファントム様とであった。
ファントム「・・・君・・僕と一緒に世界を自分のものにしてみたくない?」
僕は嬉しかった。
初めて僕を必要としてくれる人が居たから。
~終わり~
シン「・・・なんで・・・闇にいっちゃったの・・・」
ホール「・・闇が僕を必要としてくれたから。」
シン「確かにつらかったかも知れない!でも、なんで・・・さらに暗いところに進んじゃうわけ!?」
ホール「さっきも言ったでしょ?闇が僕を必要としてくれたから・・・」