第百三十二話
【違法TBP】
【医療室】
メタル「う・・・」
カイ「メタル・・・」
エール「グラビティフィールドは、そこから出た瞬間痛みは残っても傷は完治するはず・・・」
バース「俺がいない間・・・何が・・」
プロット「どうしてこんなことに・・?」
ピンキー「・・・恐らく・・・」
エルフィス「原因がわかるんですか!?」
レスト「・・・違法TBPだな。」
ピンキー以外「違法TBP?」
ピンキー「うん。普通、TBPにはリミッターみたいなのが一つ付いてるの。」
レスト「そのリミッターは、普段は武器を出さないために使われているんだが・・・」
ピンキー「グラビティフィールドに入ると、そのリミッターが外れて武器を出すことが出来るようになるの。」
バース「そんなものがあったのか・・・」
ピンキー「それで、その外れたリミッターは、今度は武器の威力を抑える方にまわるの。」
カイ「どういうこと?」
レスト「普通、傷は残るものだろう?だが、この部分を押さえれば、傷をグラビティフィールド内での自身のデータ破損ということに出来る。」
エルフィス「データ・・・破損・・・」
レスト「お前らには言ってなかったが、グラビティフィールド内では、俺達はデータの塊となる。」
プロット「データの・・塊・・・」
レスト「そうだ、俺達は中に入る瞬間、自分の体のデータが保存されるんだ。」
ピンキー「そして、中で傷ついても、外に出る時、保存された無傷の体が傷ついた体に上書きされてこっちに戻ってくる・・・」
レスト「保存されるのは、体のデータだけだから、痛み、疲れは外に出ても直らないがな。」
ピンキー「でも保存される前の体に傷が付いてたらその傷もいっしょに保存されるから直らないけどね。それで、その武器の威力についてだけど・・・」
レスト「データとして保存されても、傷によっては直らないものがある。」
ピンキー「そう。傷が深かったりすると、自分の体が削られてしまうから、保存したデータが体の容量に合わなくなって、自分の体に上書きできないようになってしまうの。」
バース「つまり、ゲームのデータをメモリーにセーブしようとしたけど、容量が足りなくて、セーブできない・・・みたいなものか?」
レスト「そんなところだ。」
ピンキー「そのリミッターが威力を抑える方にまわるから、大抵の傷は戻るんだけど・・・」
レスト「そのリミッターがないと、武器の威力が抑えられずに、破損部分が多くなって、上書きできなくなるんだ。」
エルフィス「・・・ちょっとまって、リミッターは二つを両立してるんでしょ?だったら傷が戻らないってことは・・・」
リアル
レスト「ああ。あの三重人格の奴は・・現実でも武器を出すことが出来るんだ。」
カイ「そんな・・・」
エール「あいつら・・どうするつもりなんだろう・・・」
レスト「今は待つしかない。だが、対抗策は練っておかないとな・・・」