第八十七話
【命と自然】
アル「ファイアーボール!!」
アルがフォルに向かって火の玉を放つ。
フォル「さっきもそれを斬られたの忘れたのか?」
フォルはさっきと同じように斬った。
フォル「何!?」
だがその後ろからもう一つファイアーボールが飛んできていてフォルは反応するのが遅かったため、火の玉はフォルに直撃した。
フォル「ぐっ・・!」
アル「流石に二つ一気には対応できなかったみたいだね。」
フォル「一発当てたぐらいで調子に乗ってんじゃねぇぞ!」
フォルはそう言うと、アルの目の前にすばやく移動して、アルを斬りつけた。
アル「ぐっ・・(近づけると厄介だな・・遠距離から攻撃していかないと!)」
アルはまたフォルと距離をとった。そして、
アル「中級魔法フレアキャノン!!」
溶岩をまとった巨大な岩石をアルはフォルに向かって数発放った。
フォル「これも・・斬る!!」
フォルは岩石に攻撃したが、岩石は、予想以上に硬く、剣は弾かれ、フォルは二、三発をもろに喰らってしまった。
フォル「アヂィィィィィテェェェェェェ!!!!」
アル「よくそんなボケた悲鳴をあげてられるね。」
フォル「ホントに熱いんだぞ!お前のそれ!!お前喰らったことないだろ!!絶対アツッ!って言うぞ!!」
アル「悪いけど僕は自分の攻撃を自分で受けるような馬鹿じゃないからね。さぁ、そろそろ死んでもらうよ!!」
アルは手にどんどん炎が集まっていく。
フォル「え・・・?マジ・・?」
アルの手にはチャオの数千倍の大きさの火の玉ができていた。
アル「超級魔法!!バーニングカタストロフィ!!」
アルはその火の玉を地面に思いっきり投げつけた。
フォル「!テメェ!!そんなもんこんなに豊かな自然にぶつけていいとでも思ってんのか!!」
フォルは激突寸前の巨大な火の玉の下に潜り込んで双剣で受け止めた。
フォル(こんなもん下にぶつけちまったら・・・この自然に住んでる生き物や、ソニックやアイス達まで巻き込んじまう!!)
アル「そんな双剣受け止めといて長く持つとでも思っているの?」
フォル「うるさい!!俺は・・みんなを・・・守る!!」
アル「いいじゃないか、自然なんて燃やしたってすぐに種子が芽生えて元に戻る、だから燃やしたってかまわな・・・」
フォル「黙れ!!!」
フォルの大声にアルは一瞬口ごもる。
フォル「自然だって生き物なんだ!!花も!木も!草も!雑草だって!!生き物なんだ!!生きてるものを滅ぼす、攻撃する!!それは・・・・いじめだァァァァァァ!!!!!!!」
その瞬間、フォルは火の玉を上に思いっきり弾き上げた。
アル「何ぃ!?」
フォルは上に上げた火の玉に向かって双剣を平行に構えた。
フォル(集中しろ・・・集中するんだ・・)
すると、双剣の間に小さな火の玉ができた。
それは次第に大きくなって、剣に挟まれているように見えるぐらいに大きくなった。
フォル「喰らえ!!フレイムマグナム!!!」
双剣の間からすごい勢いで火の玉が発射された。
アル「フン、そんな小さな火の玉でバーニングカタストロフィが消滅するとでも思っているの?」
確かにチャオの数千倍ぐらいの大きさのバーニングカタストロフィと、チャオの体の部分ぐらいしかない大きさのフレイムマグナムとは、大きさが全然違う。
フォル「大きさだけが勝負じゃねぇ!!大切なのは!!心と力!!二つ揃ってこそ、攻撃は最強になる!!」
フレイムマグナムとバーニングカタストロフィがついに激突した!
そして壊れたのは・・・
アル「バーニング・・カタストロフィが・・・あんな小さな玉に・・・?」
消えたのはアルのバーニングカタストロフィだった。
だが火の玉が崩れて、火の粉が回りに飛び散った。
フォル「しまった!!」
アル「・・・倒せなかった・・また・・いずれ会おう!!」
そう言うとアルの後ろにあのワープホールが現れた。
フォル「あれは!!」
アル「それじゃ。」
アルはホールの中に入った。
フォル(あの中に入れば・・俺は元の場所に帰れる・・・だけど・・・今は自然を守ることが先決だ!!)